香港旅行のベストシーズンはいつ?
ビルに飾られたクリスマスイルミネーション
でしたら、香港ならではのお祭やイベントの時期にあわせて旅行するのも、また一興。この記事では、シーズンごとの詳しい気候に、イベント情報を加えて、メリハリのない(!?)香港の四季をご紹介いたします。
香港の春(3月中旬~5月)
ハイキングするには最適の気候!(c)香港政府観光局
日本では学校の卒業や入学、会社では人事移動などでセンチメンタルな時期ですが、香港は9月に新学期が始まり、翌年の6月が学期末になるのでそのような感覚はありません。
■香港ラグビーセブンス(2018年4月6~8日)
毎年3月下旬もしくは4月上旬の金・土・日曜に行われるプロ選手による7人制ラグビー。香港以外にも世界各地で開催されていますが、香港セブンスは「クレイジーな、お祭りラグビー」ということで世界中のラグビーファンやお祭り好きが香港に大集合します。国際都市香港にぴったりのインターナショナルな、このお祭り(試合?)。日本からの選手も出場しているので、応援にかけつけてみては? 外国で愛国心をみせる格好のチャンス! 香港在住日本人サポーターの姿もあるはずです。
セブンス名物でもあるパーティースタンドの「サウススタンド」はスタジアムの南側に位置。チケットは指定席ではないため、仮装したおじさんやお姉さんたちが、午前9時ごろから席取りにサウススタンドを目指します。この期間中のアルコールの消費量もかなりのもの。ラグビー観戦というよりも、巨大パーティーといった感じになり楽しい雰囲気に。セブンスのチケットは発売日にオンラインで買うことができますが、購入できるのはかなりの競争率なので「買えればラッキー」程度の軽い気持ちで。
■復活祭(イースター) (2018年4月2日)
香港は西洋と中国の祝日の両方をお祝いする、イベント好きにとってはたまらなく嬉しいところ。キリスト教の祝日であるイースターは、満月後の最初の日曜日なので毎年日にちは変わりますが、約1週間の休みがとれる絶好のチャンス。あまりこの祝日に関係ない香港人はホリデーにでかけ、香港在住の西洋人は自分たちの国に帰ります。
それでも人口約700万人の香港ですから、活気がなくなるということはありませんが、いつもに比べるとほんの少し人が少ないかもしれません……。ただ店もレストランも通常通り営業しているのでご安心を。ショッピングモールには巨大なうさぎの置物が登場し、店頭には卵型のチョコレートが並びます。
仏教寺院の赤ちゃん仏陀
迫力のある饅頭タワー(c)森山正明
何百個という饅頭で作られた塔は、混雑をかきわけてでも見る価値充分。5月は仏祖誕といい香港の伝統文化を体験するのにいいチャンスと言えます。
香港の夏(5~9月)
案外と知られていないのがビーチの多さ
最近ではエコのために、室温を以前に比べると高く設定しているようですが、それでも日本に比べるとかなりの冷えよう。香港人とその他の国籍の人たちが働くオフィスでは、エアコンを入れたり、切ったりの戦いが繰り広げられているようです。どこに出かけるにも、必ずはおるものをカバンに入れて外出してくださいね。この外と中の温度差のため、実は夏が一番風邪をひきやすい季節と言えます。
さらに、この時期多くの台風が香港を通過していきます。7、8月は特に多いので、旅行するにも要注意。台風が香港に近づいてくるとシグナル1、3、8(一応10もありますが滅多にない)という形でレベルを分けて警報がでます。シグナル8が発令されて数時間後には公共の交通機関は全てストップするので、出先にいる場合はすぐに宿泊先に帰るようにしましょう。もし運悪く帰国の日にあたってしまったら飛行機は欠航することもあるので、チェックアウトする前に航空会社に電話して確認してください。
■端午節(2018年6月18日)
日本とは一ヶ月遅れの端午の節句に香港の各地で行われるのがドラゴンボートレース。ドラゴンボート(龍舟)の歴史は2000年前、中国の戦国時代にさかのぼります。詩人・政治家である屈原が泪羅江に入水自殺した際、村人たちが竜や魚から屈原を守るために太鼓を叩き、気を引かせようと「ちまき」を水に投げたそうです。
それが中国で広がり、競技として誕生したのは1976年になってから。ボートの先頭で太鼓を叩く太鼓手のリズムにあわせて、20人の漕ぎ手が一斉にオールを漕ぐチームスポーツ。今では世界各地で国際選手権大会も開催されるほどの規模に成長しています。香港のあちこちで行われていますが、スタンレーの大会が参加者も観客も一番多いので見ごたえがあります。
香港の秋(9~11月)
朝晩は涼しくなり過ごしやすくなる季節
香港の若者はおしゃれが大好き。9月に入ると、まだ気温が28度あっても強引にクローゼットにしまっておいたブーツを取り出してきます。そうかと思えば、短い夏に慣れている香港在住の欧米人は、まだまだ続く夏の気候を満喫しようと、タンクトップにサンダル姿で歩いていたり……。この「何でもあり」なのが香港のよさ! 自分がよければそれでいい(笑)、他人の服装のことなどいちいち気にしていられません。
9月はまだ夏の名残りで暑い日が続きますが、中秋節が終わるとしだいに朝夕は涼しくなってきます。11月は薄手の長袖とその上にはおるものがあればいいでしょう。香港が一番「気持ちいい時期」である11月になると、多くの観光客が香港を訪れます。
■中秋節(2018年9月24日)
街中にランターンが登場し、華やかに
中秋節の日には香港人は家族団らんでテーブルを囲み、食事をします。またビクトリアパークやレパルスベイのビーチなどではキャンドルをともしたり、光る棒を持って遊んでいる子どもたちの姿も見かけます。香港で最も美しいお祭りだと言われている、中秋節。ビクトリアパークには、毎年大きな龍や扇などの提灯が並ぶので、ぜひ足を運んでみて下さい。しんみりとお月見というよりは、賑やかにお花見という印象です。
■ハロウィン(10月31日)
この数年でイベントとして定着してきたハロウィンですが、祝日ではありません。各テーマパークでは特別なイベントが企画され、店頭にはかぼちゃや魔女などの仮装グッズが並びます。アメリカなどでは子どもたちが仮装してお菓子をもらいに近所をまわるのですが、香港では一般的ではありません。香港で一番賑わうナイトスポット、ランカイフォンはキャットウーマンや魔女などに仮装した大人たちの社交の場となります。うさぎの耳やお面など、この時期どこにでも売っているので、プチ仮装して夜のランカイフォンにでかけてみては?
香港の冬(12~2月)
クリスマス&旧正月イルミネーションは必見(c)香港政府観光局
■クリスマス(12月25日)
香港が一番輝く時期がクリスマス! ビクトリア湾を挟んで両側に建ち並ぶビルには、クリスマスイルミネーションが飾られます。ショッピングモールにはモール別に違う趣向のクリスマスツリーが置かれ、クリスマスショッピングをより楽しいものにしてくれます。町中を歩いているだけでも、何だかわくわくしてくる季節。クリスマス前から始まっているバーゲンはクリスマス後にピークを迎えるので、もっとわくわくできるはず(笑)。ただここ数年は、世界的不景気の影響で年中バーゲンをしている雰囲気もあるのですが……。
クリスマス当日、店やレストランは通常通り営業していますが、博物館によっては閉館しているところもあるので確認してからお出かけしてくださいね。ディズニーランドのテーマパークなどは開いていますが、ホテルのレストランではクリスマスディナーを特別に設定しているところもあり、予約が必要です。
■年越し・カウントダウン(12月31日)
香港で年越しといえば、やはりビクトリア湾沿いでのカウントダウン。新年を迎える直前にはじまるこのショーでは何とビルの屋上から花火が! こんな大スペクタクルに新年を迎えたら、素敵な一年になることは間違いなし!ですね。 絶好の鑑賞スポットはワンチャイプロムナード、アベニュー・オブ・スターズ、西九龍プロムナードなど。ランカイフォンやタイムズスクエア広場でもカウントダウンのためにたくさんの人が集まります。家族連れにはオーシャンパークのカウントダウンもおすすめ。詳しくは「ド派手すぎ!香港の年越しカウントダウン」をご覧ください。
翌日の1月1日は祝日ですが、クリスマスと同様、店やレストランは通常通り営業しているのでご安心を。
■旧正月(2019年2月5日~7日)
旧正月に向けての飾り付けは縁起のいい赤ばかりなので、香港が真っ赤に染まる時期。ライシ(お年玉袋)だって当然赤! 香港中が活気づき、華やかなムードに包まれます。
旧正月数日前からビクトリアパークでは花市も開催されているので、おめでたい花や植物を観察してみてください。パレードやビクトリア湾に打ち上げられる花火など、イベントが盛りだくさんです。
旧正月の前夜は、花市をはじめ町中が最も賑わう日なので、なかには営業時間を延長しているお店もあります。旧正月当日、大きなレストランやショッピングモールに入っているお店では営業しているところもありますが、個人商店などは1週間くらい閉まるところもあります。
旧正月初日にレストランでお食事する場合、ウェイターさんにライシを渡すと縁起がいいと喜ばれますよ。ライシの中身は10香港ドルから20香港ドルが相場です。日本のように大人が子どもにではなく、既婚者が子どもや独身の人(といっても20代くらいまで)に渡す習慣だそうですが、日頃からお世話になっているバスの運転手さんや郵便配達の人などにも渡します。会社では上司が部下に渡すことも多いようです。
スタートはネーザンロード
マラソンブームが続く日本でも注目されるようになった、香港マラソン。世界のトップランナーたちも出場します。フルマラソン、ハーフマラソン、10キロと3種類があるので自分のフィットネスレベルに応じて選べます。13回目であった2009年の参加者は5万人。2010年からはできるだけ多くのランナーが参加できるようにハーフのスタートを2回、10キロを5回に増やすことになりました。スタート地点は九龍側でゴールは香港側。毎年コースは若干変わりますが、走りながら香港のいろんなところを見られるのはいいですよね。ちょっと気力と体力のいる「観光」ですが、その後、体重を気にせずにおいしいものをたくさん食べられるというご褒美がついてきますよ。
毎年恒例の行事やイベントのほかにも、ワインフェスティバル(11月)や国際映画祭(3月)などさまざまなイベントが、年間通して開催されています。香港入りしたらすぐにフリーペーパーなどをチェックしてみてください。よりディープな香港を体験できるはずです。
【関連リンク】
- 香港気象台(英語・中国語)
- 香港ラグビーセブンス(英語・中国語)
- 香港マラソン(英語・中国語)
- 国際映画祭(英語・中国語)