オープンカー=夏。確かにそんなイメージはある。クルマのメーカーもその雰囲気を利用して、オープンカーの発表を夏のボーナス前に行うことが多い。でもね。実は夏にオープンカーに乗るのはかなりの覚悟がいるのである。なんたって暑い。ヒジョーに暑い。女のコにとっては日焼けは大敵。首に日焼けドメ、腕に日焼けドメ、耳の後ろにも日焼けドメ。顔にももちろん日焼けドメ、でも、厚塗りしたら汗でどろどろになっちゃうし。つむじも焼けちゃうから帽子は欠かせないし、それが風に飛ばされないようにしなくちゃいけないし。髪がばさつくし、渋滞にはまったら排ガスは苦しいし……。やっぱり夏はエアコンの効いた車内の方がだんぜん楽なのだ。
オープンカーは秋から冬にかけて、ヒーターをがんがんにかけて、頭寒足熱の露天風呂状態で乗るモノ。私のアタマの中ではすっかりそんな定義ができあがっている。しかし。このクルマは違った。ニュービートル・カブリオレは、直射日光がすごく似合うんだな。やっぱり青空でしょ、白い雲でしょ、日焼けした素肌が健康美人に見せてくれるでしょ。
理由はやっぱりそのカタチ。可愛い。すご~く可愛い。どこから見ても可愛い。このクルマってばカブリオレにするために生まれてきたのか? ってくらいまとまっている。特に屋根。電動で開く屋根は、たたんだあとにカバーをつけることによってまるでリアウィングみたいな風情になる。スポーツカーみたい。うまいなあ。でもってこんなにリアウィング……じゃなくて屋根が出っ張っていてもトランクのフタはそれを避けるようにしっかり開く。アイディアだなあ。
オープンカーがその存在感を発揮するのはインテリアを見せびらかせるときだ。ふだんは外からは見えないその部分が、惜しみなく周囲にさらされている。それだけでも「おっ」とくるのに、そのインテリアが綺麗だったらよけいに「おおっ!」である。このクルマのボディカラーと同じ色のドアの内側。これかなり印象的。「オープンカーはインテリアもエクステリア」という見せる常識をしっかりわかっているし。上品な本革のシート、長く伸びたダッシュボード、シンプルなスイッチ類。どこをとってもなんだか涼やかで心地いい。見ている方も気持ちいいけれど、乗って使っている人はもっと気持ちいいんだろうなあとちょっと嫉妬させる仕上がりである。
このクルマで夏の日差しを受けて走る。想像するだけでかなり「夏休み」な気分になれる。社会人になって短くなった夏休みだけれど、スイッチオンして満喫するのにはかなり手っ取り早く楽しめる。夏にオープン、このクルマならお勧めなのだ。追伸:でも秋になったらまた「秋が似合う!」と書きそうで怖いので、先に書いておきます。結局、季節は関係ないんだな。こういう粋なクルマって。
フォルクスワーゲンのホームページはこちらから。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。