ルノー/カングー

新型もカングーらしさ健在

おそらくルノーも想像以上のヒット作になった初代カングーが、99年の欧州デビュー、02年の日本上陸以来のフルモデルチェンジを遂げた。2代目もカングーらしさは不変だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

大きくなった

フロントビュー
ルノーの稼ぎ頭、カングーが新型にスイッチした。2代目は先代よりも立派に大きくなっている。全長4,215×全幅1,830×全高1,830mm。全幅と全高が同値のクルマは珍しい。全長は欧州の道路、駐車事情に配慮して抑制されている。価格は5速MTが219万8,000円、4ATが229万8,000円
日本のルノーの新車販売で5~6割を占め、02年からの累計販売台数が9,000台を超えるのがカングーだ。エントリーモデルのトゥインゴやコンパクトカーのルーテシアではなく、ミニバン系のカングーがトップというのが興味深い。日本のみならず世界でこれほど売れるとはメーカーも予想していなかったのではないか。世界累計販売は250万台に達する。

注目の2代目は、ひと目で大きく、立派になったのが分かる。02年の日本登場モデルは、全長3,995×全幅1,675×全高1,810mmで、1.4Lエンジンを積んでいた。数値からも全幅の拡幅ぶりがうかがえる。全長は欧州の道路、駐車事情もあり、これくらいが実用上の上限なのだろう。

初代の魅力は不変

リヤビュー
観音開きのバックドアを採用。欧州にあるショートホイールベース版の日本導入は現時点ではなさそうだ。初代には、通常の跳ね上げ式のテールゲートも存在していたが、2代目は観音開き一本
初代カングーが想定外のヒット作になったのは、ほぼライバル不在で、本物の道具感を感じさせたから。カラフルなカラーリング、ルノーらしく上質なシートや粘りのある乗り心地などもあったと思う。日本のミニバンは乗用なら過剰な快適性や装備があり、ビジネス版のバンだとハッキリとビジネスライク丸出しで、ドレスアップしてオトコらしく乗るならまだしも、女性やカップル、家族向けに最適なモデルはほぼ皆無。オシャレなのにちゃんと座れて、使いがいのある大きな荷室は、多くのユーザーにとって初めて遭遇するタイプのクルマだったはずだ。

年代やジャンルこそ違うが、VWのバス/トランスポーターであるタイプ2に乗って、こだわりのライフスタイルを演出したいというような、そんなユーザー心理を刺激するモデルであり、オン&オフを問わず過ごすのに最適な相棒として受け入れられたのではないか。

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