輸入車/注目の輸入車試乗レポート

リンカーンMKXの類い希な個性(3ページ目)

多士済々、個性派が増えつつあるSUVだが、リンカーンMKXのアクの強さ?は顔からにじみ出ている。しかし乗ってみると快適な乗り味など、現代的な実力を備えているのが分かる。隣と同じSUVに乗りたくないならMKXだ!

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

広くて使いやすい車内

ルームミラー
ルームミラーにはフロント、サイドの映像を映し出すモニターが内蔵される。補助用だが慣れると頼りになる存在だ。サイドアンダーミラーを廃するための装備だろう
車内では、とくに1.9m超の全幅がゆとりを感じさせる。大きなシートを5人分用意しているのにもかかわらず、車内の広さは犠牲になっていない。フロントは171cmという平均的な日本男子には余裕しゃくしゃくで、電動スライド、リクライニング、シートリフターを操作すればドラポジも決めやすいし、もちろんメモリー機能も装備される。シート位置を高めにしてもボンネット先は確認できないが、前方と左右の視界は良好だ。一方でクーペ的なリヤスタイルのため、後方視界はミニマム。とくに、左右ともに後方斜め方向は死角が多い。ルームミラーに前とサイドのカメラ映像が映し出されるが、画面サイズは小さいので、あくまで補助用だ。しかし、日本ならでは無粋なサイドアンダーミラーがなくなったのもこのカメラのおかげだろう。スタイル命のMKXにあってその貢献は大だし、MKXのデザイナーも日本仕様を見てガッカリせずに済んだはずだ。

大人5人でもOK

荷室
荷室は横幅、奥行きとも十分。フロア高がやや高く、荷室高も思ったほどはないが、3、4人でのアウトドアやキャンプも余裕でこなすだろう
後席は6:4分割可倒式で、3人掛け。室内幅に余裕があるから大人3人掛けだって窮屈感はすくないはず。中央席の座り心地はもう少しだが、3点式のシートベルトをきちんと締めれば、Gがかかっても身体が揺すられることはない。

膝まわりにも余裕があり、171cmの私でドラポジを取るとその後にはコブシで約3つ程度、頭上には2つ程度の広さがある。シートはスライドしないが、リクライニングすればゆったりとくつろげる。唯一残念なのが、座面の角度と高さが171cmくらいの身長だと、太ももが浮いてしまう。もう少し足を支えてくれると疲れが少なくなるのだが。

荷室は大人5人分の1泊荷物を十分に積み込んでくれそうで、後席の背もたれもボタン操作でバタンと倒れるからフラットにしやすい。しかし、シートが倒れる速さが半端なく速く、初めて操作すると驚くし、万一荷物があるとどうなるか心配だ。なお、安全面では効果もあるのだろうが、リヤゲートは運転席のボタンを押さないと開閉できない。閉める際には荷室内のボタンを押すタイプなので、せめてエンジンキーで開閉ができるとより使いやすくなるはずだ。

日本の「リンカーン」ブランドしては、第2弾になるMKX。その最大の魅力は、やはり迫力ある顔つきや伸びやかなサイドビュー、意外とスッキリしたリヤビューなど、スタイルそのものだろう。デザインと走りは、ドイツ、日本のSUVにはない個性に満ちているし、使い勝手もよく練られている。街でよく見かけるSUVはイヤだし、ミニバンまでは要らないという向きは検討する価値大といえるだろう。隣にカイエンやランクル辺りが並んでも、余裕の微笑みを浮かべながらゆったりと走れるはずだ。MKXを上回る個性の持ち主はそうはない。

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