輸入車/注目の輸入車試乗レポート

リンカーンMKXの類い希な個性

多士済々、個性派が増えつつあるSUVだが、リンカーンMKXのアクの強さ?は顔からにじみ出ている。しかし乗ってみると快適な乗り味など、現代的な実力を備えているのが分かる。隣と同じSUVに乗りたくないならMKXだ!

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

なぜ高級SUVなのか?

フロントビュー
リンカーンMKXは、全長4750×全幅1925×全高1705mmというサイズで、とくに幅方向に余裕がある。エンジンは3.5LのV6で、6ATと組み合わされる。モノグレードで価格は650万円、左ハンドルのみ
最近の日本で存在感を高めているSUVといえば、やはりドイツと日本勢だろう。とくにドイツ勢は従来のメルセデス・Gクラスに加え、BMW・X5やポルシェ・カイエンに代表されるように、新しい高級車像として地位を確立している。こうした都市の富裕層は、セダンでは飽き足らず、ミニバンまでは要らない、あるいはミニバンの生活感がイヤという思いがあるのかもしれない。

これらの本格、LクラスSUVは都市生活を中心に高速を安楽に、ときには吹っ飛ばして走るのがメインステージで、オフロードに踏み入れることはマレなはず。行ってもスキーやキャンプ、マリンスポーツへの足だから、機構として「4WD」は必須ではない。

しかし4WDであり、ロードクリアランスがあり、車内が広くてパワーもあるSUVは、「イザというとき」や生活に余裕を感じさせるなど、一定の支持があるのは間違いなく、スタイリングに個性があればなおいいという層はとくに富裕層に多いはず。押し出しの効くボディサイズも必要で、ハマーが一時ブームになったのもこうした理由が背景にあるはずだ。また、SUVといえばエクスプローラーを擁するフォードも長年の歴史を誇る。「リンカーン」という日本に再上陸を果たしたブランドでその地位を固めたいはずだ。

迫力のマスク

リヤビュー
一体感を抱かせるLEDテールランプと両サイドのスポーティなクロームエグゾーストパイプが特徴的。SUVよクーペのクロスーバーに見えるスタイリッシュなデザインだが、後席の広さも十分だ
前置きが長くなったが、フォードの高級ブランドであるリンカーンMKXも大型で高級SUVに属する。今回は、アメリカン高級SUVがどんな位置にいるのか、試乗して探ってみた。

リンカーンMKXは、SUVではなくCUS(クロスオーバー・ユーティリティ・ビークル)を名乗るが、ジャンルとしてはSUVであり、CUSを名乗るのは、モノコックボディならではの快適性を獲得しているから。ボディとラダーフレームを一体構造とし、乗り心地などの快適性とボディの堅牢さを両立するのが狙いだろう。ひと昔前のアメリカンSUVはトラックベースだから、乗り味を向上させるにも限界があったが、MKXは高級SUVを謳う資格を得ているといえる。

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