SUV風「クロスゴルフ」は本物感に満ちる(3ページ目)

いかにもゴルフ家族らしい走り

後席の背もたれを前倒しできるので、大きめの荷物も積み込める。開口部も大きく、ハッチバックならではの積載性の高さを誇る

走りに関しては、想像どおりだった。ゴルフプラスやゴルフに見られるような、しっかりと路面を捉える動きに終始する。安定感に富む走りだ。そのぶん路面の凹凸をそれなりに拾い、硬質な乗り味をみせるが、ボディが揺すられることはほとんどなく不快ではない。

身体の割には1.4Lと小さめの心臓だが、スーパーチャージャーとターボの2つの過給器によってシーンを問わず軽々と加速させる。しかし、気になったのはターボラグがやや感じられるのと、2ペダルMTのDSGだ。この6速DSGは、2ペダルMTとしては白眉といえるシフトマナーと電光石火のギヤチェンジを見せるのは間違いない。しかし仔細に観察するとやや段付き感があり、スムーズに走らせるには右足に少々意識を向ける必要がある。コツをつかめば慣れてしまえるが、発進に弱点を持つのは間違いない。ゴルフGTIやGTなどのスポーティモデルには最適だろうが、クロスゴルフにはコンベンショナルなAT、もしくは今年夏前に日本にも導入されるであろう7速DSGのほうが向いているかもしれない。また、エンジンかドライブトレインからと思われる高周波のノイズも気になった。それが街中で常用域である25～40km/h過ぎだけに、せっかくの静粛性の高さも削がれ気味に感じたのだ。

気に入ったら即買い

ゴルフとはひと味違った佇まいで、街中でも目を惹く。タウンユースではもちろん、郊外でもアウトドアユースでもソツなくこなしてくれる

限定車クロスゴルフは、ニッチな存在であることは間違いない。ベースのゴルフプラスは在庫がなくなり次第終了で、現地点ではクロスゴルフも500台が終われば入荷予定はないという。

ちなみに予測だそうだが、2月登録で120台程度のオーダーが見込まれるという。居住性や積載性、走りなどの基本性能の高さ、バイキセノンヘッドライトやコーナリングライト、CDプレイヤーなどの充実装備も目を惹く。心臓部も最新のTSIエンジンだ。今年後半には、小型SUVでトゥアレグの弟分であるティグアンが日本にも上陸予定なので、4WDが欲しいなら「待ち」だろう。しかし、FFで十分というならオススメできる。数量限定だけに、迷っていると売り切れてしまうかも。

「VWクロスゴルフ」の公式ウェブサイトはこちら

「ミニバン・SUV」のメールマガジンの申込はこちらまで