輸入車/注目の輸入車試乗レポート

心に残る「フリーランダー2」の走り

ランドローバーの末っ子が、6月からデリバリーされているフリーランダー2。オフロード性能を一定レベル確保しつつ、オンロードの走りを大幅に磨き上げている。400万円以下から始まる価格も魅力だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド


貴重なジャストサイズSUV

フロントビュー
コンパクト高級SUVとして貴重な存在のインポートカー。全長4515×全幅1910×全高1765mmの3ナンバーサイズ。価格は390万円~530万円
ランドローバーの末っ子がフリーランダー2。全幅は1.9mを超えるので決して小さいとはいえないのだが、全長は新型エクストレイルよりも75mm短く、ホンダCR-Vに近い。ボクシーな見た目どおり、四隅の感覚はつかみやすく、横幅さえなれてしまえば狭い住宅街でもスイスイと走れる。日本車ではこのクラスのSUVは少なくないが、輸入車勢となるとBMW・X3くらいしか見あたらず貴重な存在だ。ヘビーなオフロード走行はディスカバリー3に任せて、都会派SUVとして生まれ変わっている。

印象的な運転のしやすさ

リヤビュー
2代目となりフラッグシップのレンジローバーのような洗練されたルックスを手に入れた。先代の軽快感は薄れてしまったが、走りには落ち着きとフットワークのバランスのよさがある
ボルボ譲りの直6エンジンを横置きし、電子制御センター・カップリングを用いたフルタイム4WDで駆動する。オンロード重視のキャラクターながら、林道走行やスキーエクスプレスなどアウトドアユースで使うには十分な走破性を確保しており、電子デバイスの「テレイン・レスポンス」と呼ぶシステムを標準搭載する。「オンロード」、「砂地」、「草/砂利/雪」、「泥/轍」4パターンから走行モードをチョイスできる。イラストを選ぶだけなので、イザというときや悪路に踏み入れた際の安心感は高い。

何より印象的なのが、オンロードの乗り心地のよさだ。グッドイヤーのM+Sを履いていたがドタバタした動きは見せない。フットワークも軽すぎない軽快感と高級車らしい味わいのバランスが素晴らしい。オフロード系SUVに乗っているという意識を抱かせず、背が高いサルーンで快適に移動している感覚に近い。全長が短い割にピッチングもよく抑えられており、ロール規制も巧みでオンロードでの振る舞いは街中から高速道路、ハイウェイまで終始安定している。3.2LのV6エンジンはトルク、パワーとも取り立てて力感溢れるというわけではないが、必要十分で大人4名が乗車してもモアパワーを抱かせるシーンは少ないはずだ。

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