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走行メカニズムや機能に目立った変更はなく、ロングボディのグランドボイジャー共々全4モデルを導入。いずれも右ハンドル仕様である。
全長が5m近く(標準ボディ)、全幅はほぼ2mという堂々たる体躯。最小回転半径は5.9mもあり、狭い場所での取り回しでは苦労させられるが、アメ車とはいえ右ハンドルを採用しているのが救われる。
車体がデカイだけに、乗り込むと「意外とふつう」の印象。ボディサイズ面を上下に強く絞ったスタイル、内装のトリムもボリュームのある立体的なデザインである。ギリギリまで広くしようとは端から考えていないのは明白。大柄な男性でも6名がゆったりと過ごせるキャビンスペースを確保したうえで、無理のないボディサイズに仕立てた感じである。
セカンドシートはキャプテン仕様。しかも試乗したLXプレミアムは革張りシートを採用。寸法使いにギスギスした感じがないことやシート周りの雰囲気が、何とも寛いだ雰囲気を出している。座り心地はフロント/セカンドシートならサイズも着座感も「ゆとりのパーソナルスペース」といった感じだ。サードシートは平面的なクッションで着座姿勢の自由度も低く、随分と座り心地に差があるが、寸法のゆとりが車格を思わせる。
ただ、ことさらに高級感を狙ってはいない。インパネやトリムの造作は樹脂の質感が強く、パネル合わせの精度感も国産車ならば4気筒の実用車レベル。サイズやシートで贅沢をしても、北米では生活に密着したクルマなのが伝わってくる。
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ハンドリングもあまり車重を感じない。中立付近から回り込みがよく、サイズに似合わずメリハリの利いた操舵感覚である。高速域では重量感のある揺れを感じるが、神経質にステアリングを抑え込む必要もなく、気軽なクルージングができる。細かな凹凸の突き上げが多少目立つが、乗り心地は思いの外に引き締まっていて、路面のアンジュレーションでも不安定な揺れを残すこともなかった。
使い勝手でも走りでも目立って優れた部分はない。経済性と実用性を考えると国産ミニバンには及ばないのも事実である。ただ、国産の上級ミニバンを乗り継いできて飽きてしまったドライバーが目先を変えるにはちょうどいい。アメ車の大らかさとゆとりを楽しめるミニバンである。