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似て非なるモビリオとスパシオ(2ページ目)

街乗りに便利なサイズに3列シートの7名定員。一見するとモビリオとスパシオの2車は同じようだが、対象ユーザータイプがかなり異なる。この2車の選び分けでは適応用途との相性が最も重要だ。

執筆者:川島 茂夫

これはボクかミニバン系を執筆する時に、ミニバンを「1BOX型」と「ステーションワゴン型」に大別している理由そのままなのだが、例えば狭義では1BOX型は大家族志向であり、ステーションワゴン型は核家族志向という意味にもなる。

確かに、サードシートの座り心地を比較すると雲泥の差がある。モビリオは小振りで少々安っぽいものの、大人が座るに相応の機能がある。しかし、スパシオのサードシートは如何にも簡易型であり、座椅子の上で運動会座りをしているような感じだ。シートとしての機能はギリギリ最低限である。ところが、フロント&セカンドシートを比較するとスパシオのほうがシートサイズも座り心地、シートの建て付けもしっかりしている。

随分と乱暴な比較で恐縮だが、全シートのポテンシャルを100とするなら、モビリオはフロント35/セカンド35/サード30くらいの比率になるのに、スパシオはフロント45/セカンド40/サード15くらいの感じ。サードシートの比較では30対15でモビリオが勝つが、フロント&セカンドシートならば70対85でスパシオが逆転するわけである。

サードシートの使用頻度が高いユーザーにとっては、スパシオの設計は許し難いものだろうし、サードシートの使用頻度が少なければモビリオは使わない部分に他の部分がアシを引っ張られている非合理的な設計と言うことになる。

話が長くなるので、ここでは割愛するがこういった適応用途の違いはキャビン設計だけでなく、走りの特性などにも現れているのだが、いずれにせよモビリオとスパシオは、適応ユーザータイプからすれば似て非なるクルマともいえるのだ。ユーザーから見れば、自分自身の置かれた立場(使用前提&環境)によって、評価が異なる2車なのである。

もちろん、クルマの評価とは使う人にこそ評価基準があり、部分部分の相対評価を羅列したところで無意味。部分的には絶対的な評価軸を持つ項目もあるが、全体論としては使う人との相性が重要である。ボクにしてみれば、モビリオもスパシオもともに新しい時代の経済的な多用途ファミリーワゴンとしてイチオシなのだが、あくまでも相性の良いユーザーとの組み合わせにおいて、良いクルマなのである。さて、あなたの使い方ならばモビリオですか、スパシオですか。

「関連リンク」
[クルマの賢い買い方・売り方] CloseUP!記事 > スパシオとライバル
/gm/gc/194012/
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