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今、注目の若手MotoGPライダーは?(3ページ目)

MotoGPロードレース世界選手権「日本グランプリ」のプレビュー第1弾。まずは最高峰MotoGPクラスを戦う世界レベルのカリスマライダー達をご紹介。個性豊かなライダー達が今年も世界最高のバトルを見せる。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

着実にポイントを重ね時が熟すのを待つペドロサ

ヤマハの新鋭がロレンゾなら、ホンダは同じスペイン人のダニー・ペドロサを次世代のエースライダーとして大事に育てている。彼もまた2年連続で250ccクラスを制して最高峰MotoGPクラスに昇格してきたライダーで、MotoGPクラスは今年で3年目のシーズンだ。
ダニー・ペドロサ
【写真提供:本田技研工業】
ペドロサは抜群の速さとコントロール能力を持つライダーで、125ccクラスや250ccクラスで戦っている時代からその才能は認められていた。特に凄いのが精神面での成熟度で、彼があわててミスをしたり冷静さを失ったりするシーンはめったに見ることができない。

そんなペドロサの唯一の難点はその小柄な体格だった。中量級の250ccクラスからMotoGPへの乗り換えの際、当時約1000ccの排気量があり大柄だったMotoGPクラスのバイクは小柄なペドロサにとってネックになり、ステップアップを1年遅らせたほどだった。しかし、2007年よりMotoGPクラスの排気量がダウンされた結果としてマシンがコンパクトになり、ペドロサにとってはより有利な条件となった。2007年、ペドロサはシリーズランキング2位を獲得している。
ダニー・ペドロサ
【写真提供:本田技研工業】
確実にチェッカーへとマシンを導き、着実にポイントを重ねていくペドロサの安定した走りは今年も不変だ。勝利はスペインGPとカタルニアGPのみだがシーズン中盤まで高得点を稼ぎ続け、ランキングトップの座に居た。

ホンダの800cc MotoGPマシン=RC212Vの戦闘力は圧倒的なものとは言えないし、ホンダワークスが伝統的に使用するミシュランも近年はブリヂストンと比べて劣勢と言わざるを得ない。そんな状況下であってもペドロサは腐らずに常に望みうる最高の順位を目指している。

インディアナポリスからBSにタイヤを変更!

そんな彼にニュースが飛び込んだ。ホンダワークスチーム(レプソルホンダ)はダニー・ペドロサのみタイヤをミシュランからブリヂストンに変更すると発表した。ブリヂストン&ホンダの地元である日本グランプリでは優勝を狙ってくるであろう。さて、シーズン途中の異例のタイヤ変更は吉と出るか?ホンダのマシンが熟し、すべての環境が整ったとき、ストイックな彼の姿勢はいつかきっと身を結ぶだろう。

次のページではペドロサと共にホンダの未来を担うイタリア人ライダーを取り上げます。
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