トルコの夏(6~9月)
地中海有名リゾート地の一つ、チェシュメ
イスタンブールや地中海・エーゲ海地方では短パン・ノースリーブでもかまいませんが、中央アナトリア以東の地方都市はイスラム色が強いため、過度に肌を露出することは好ましくありません。また、どの地域であれ、モスクを見学する時は足や腕を隠す服装でないと、入場を断られることも。真夏の旅行でもモスク見学の予定がある場合は、薄手のカーディガン及びロングパンツが必須です。
子どもたちの夏休み期間(6月下旬~9月中旬)、イスタンブールやアンカラの大都市では多くの人が別荘やリゾート地に向かうため、交通渋滞が緩和され、移動が楽になります。逆にリゾート地には大都市の人々が押し寄せるため、かなり混雑するでしょう。
政教分離政策を掲げているトルコですが、国民の90パーセント以上がイスラム教徒であるため、イスラム教のイベントに合わせて国全体が動きます。イスラム教はヒジュラ暦という一年を354日として計算する太陰暦で動くので、こうしたイスラム教イベントの日程も毎年11日ずつずれていくのですが、ここ数年、断食月と砂糖祭は夏期にあたっています。
断食月にライトアップされるモスク
この期間、日没直後のイフタールという食事時間に合わせて官公庁や会社の業務が終了するため、博物館などの閉館時間も早まる可能性がある点に要注意です。また、イフタールの時間帯には親戚・友人同士が集まってレストランで食事をすることが多いため、予約をしないと入れなくなります。一方、日の出前のサフルという食事時間に合わせて、人々を起こすために太鼓を叩いて練り歩く人が早朝4時前後に出没する可能があります。
店頭に並ぶ砂糖祭用キャンディー
また、観光地や商店はバイラム(祭り)初日目の午前中のみ休みになるケースもあれば、3日間丸々休業するところもありますから、事前のチェックが必要でしょう。
<祝日>
- 8月30日:勝利の日(1922年侵攻軍敗走の日)
- 2012年の断食月は7月20日~8月18日、砂糖祭は8月19日~21日
トルコの夏のイベント
■カフカソルの闘牛(アルトヴィン 6月最終日曜日)頭を押し合い、角で相手を攻撃
1973年よりイスタンブール文化芸術基金が主催する、最も歴史のあるフェスティバル。元は全ての音楽を網羅した音楽祭でしたが、ジャズ・フェスティバルやシアター・フェスティバルが別途行われるようになってからは、クラシックを中心とした音楽祭となっており、世界中から著名な音楽家たちが集まります。
■オイル・レスリング(エディルネ 6月末)
相手を地面に倒した方が勝ち
2000年の歴史を持つ古代遺跡アスペンドスの、ほぼ完全な形で修復された円形劇場を利用したフェスティバル。古の人が生み出した音響効果の劇場で一流のオペラやバレエが鑑賞できるまたとない機会です。
古代都市でコンサート(エフェソス)
イズミールとその周辺に点在する古代都市遺跡などで行われる、海外の劇団やミュージシャンによる催し。アスペンドス同様、古代遺跡の音響効果で現代の芸術を堪能できる、贅沢なフェスティバル。
イスタンブール文化芸術基金主催のフェスティバルの中でも、最近特に人気を高めている催し。世界中から300人近いジャズ奏者が集まり、20日間に50以上のコンサートが行われます。コンサートのみならず、船やデパート、ショッピング街など町中にジャズグループが繰り出してストリートジャズを披露するという粋な企画もあり、元気なイスタンブールのジャズを肌で感じることができるフェスティバル。
■夏物バーゲン(7月15日~9月1日)