難しい対応を迫られる長妻大臣
さて、そもそも社会保険庁が解体される原因は、「社会保険庁の度重なる不祥事への組織としてのけじめ」といったものでした。ですから自公政権下でも、日本年金機構への採用について過去懲戒処分を受けた社会保険庁の職員は採用しないという方針が出されています。
しかし、民主党が政権を取り、民主党の支持団体からこれらの職員の雇用の確保の要請が出てきました。この職員の取り扱いが一つの焦点となっています。
この問題を担当するのは勿論長妻厚生労働大臣です。野党時代、社会保険庁の不祥事を厳しく追及した長妻氏が、不祥事を起こした職員の処遇をどうするのか?
■採用すれば、国民からの失望、批判は必至
■不採用なら、不採用職員の処遇をどうするのか?社保庁職員は法律で身分保障されている国家公務員 でもあるため、混乱は必至
とりあえず不採用の方針を示していますが、職員の身分保障をどうするのか?重い課題に取り組んで行かなくてはなりません。
まずは、記録問題対応。ただ人員足りるの?
民主党のマニフェストでは、これからの2年間は年金記録問題に集中対応することになっています。自公政権で「10年はかかる」としてきた記録照合作業を、2年間で完了するにはかなりの人員の確保が必要です。長妻大臣も増員の必要性には言及しているものの、具体的な人数等は定かになっていません。
95兆に膨らんだ概算要求の絞込み作業がスタートした最中に予算増となる人員の増員について、なかなか言い出せないのが実情なのかもしれません。
将来の「歳入庁」創設構想との関係性
懲戒処分の採用問題
記録問題対応への人員確保
等
どうやら問題山積のままの船出となりそうですが、信頼される年金制度の構築のため頑張っていただきたいものです。
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