“物足りない走り”も正しい選択
フロントには操縦安定性を、リアには後席の乗り心地を向上させるサスペンションを装備。硬い低転がりタイヤで生じるデメリットをうまく解消している |
また、ウエット路面だと乾いた音と同じく低転がりタイヤの特性である“グリップ力の低さ”を感じさせる。これはドライ路面より走行速度を10%落とせば解決する問題。心配な人は「Lパッケージ」以上のグレードを選び、メーカーオプションの姿勢制御装置(VSA)の装着をすすめておく。VSAは雪道を走るときにも安心です。
ハンドリングは乗用車顔負けのコーナリング特性を持っていた従来型と比べ、大幅にマイルド。走りを大切に考える人だと物足りないかもしれないが、ノアやセレナといったライバルもこんな感じ。そもそも走りを楽しめる道路環境じゃありません。だったら低転がりタイヤを履いて燃費を追求した新型ステップワゴンの選択は間違いないと思う。
メーターの中央にはECOリングを表示。理想的な低燃費運転に近づくほどリングの色がグリーンに変化、直感的に分かる仕組みとなっている |
むしろ長距離ドライブの際、エコランの武器となってくれるクルーズコントロールのオプションが非常に限られているなど(最上級グレードにしか付かない)、装備面の不満を感じます。高速巡行時に燃費を稼ごうとしたら「エコアシスト」のような制御より、クルーズコントロールでしょう!
おすすめグレードはベーシックな「G」(208万8000円)か、いっそVSAからサイドエアバッグ、追突低減ブレーキ(追突しそうになると自動的にブレーキをかけてくれるシステム)、車間距離制御付きクルーズコントロール、HDDナビまでフルに装備する「Li」(320万8000円)がいいと思う。
撮影:篠原晃一・カーセンサー