普及のカギは「安全性」と「効率性」
飛躍的な軽量、コンパクト化を実現した「V Flow FC スタック」。一般家庭20軒に一度に電気を供給できるほどの能力がある |
そんなこんなで、石油枯渇後の主力パワーユニットとして期待されている燃料電池ながら(燃料である水素は地球上で最も多い元素。しかも太陽光発電など自然エネルギーを使えばどこでも創り出せる)。本当の意味での普及開始は「安くなってから」になりそう。
参考までに書いておくと、安くならない最大の要因が「燃料となる水素を効率よく安全に積む」という技術にメドが付いていないためだ。現状はスクーバダイビングなどと同じく、超高圧水素をボンベに詰めて搭載している。こいつの安全性を安価に確保することが難しい。
コクピット中央には、新開発のFCマルチプレックスメーターを採用。水素の消費状況やバッテリーの回生状況など、走行中のクルマの状況を表示 |
おそらく少し積極的になれば、今後誰でも助手席ながらFCXクラリティに試乗する機会を得られると思う。11月3日に行われる日本EVクラブ主催のイベント(茨城県筑波サーキット)でも試乗させてくれることになっているらしい。
キーをオンにしても完全無音のEV(電気自動車)と違い「ビューン」系の送風装置の音など聞こえるものの、乗り心地や加速も普通の高級乗用車に全く負けていない。燃料である水素は軽いためフル充填してもわずか4kg! これで300km以上走れるというのだから驚く。ぜひ味わってみて欲しい。