HONDA(ホンダ)/ホンダの車種情報・試乗レビュー

“市販車”だけど買えないFCXクラリティ(2ページ目)

今夏よりアメリカで個人向けにリース販売が開始されたホンダの燃料電池自動車「FCXクラリティ」。既に市販車としても申し分ない性能だが、日本でのリース販売は未定。FCXが抱える課題とは?

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

普及のカギは「安全性」と「効率性」

FCX燃料電池
飛躍的な軽量、コンパクト化を実現した「V Flow FC スタック」。一般家庭20軒に一度に電気を供給できるほどの能力がある

そんなこんなで、石油枯渇後の主力パワーユニットとして期待されている燃料電池ながら(燃料である水素は地球上で最も多い元素。しかも太陽光発電など自然エネルギーを使えばどこでも創り出せる)。本当の意味での普及開始は「安くなってから」になりそう。

参考までに書いておくと、安くならない最大の要因が「燃料となる水素を効率よく安全に積む」という技術にメドが付いていないためだ。現状はスクーバダイビングなどと同じく、超高圧水素をボンベに詰めて搭載している。こいつの安全性を安価に確保することが難しい。

FCXインテリア
コクピット中央には、新開発のFCマルチプレックスメーターを採用。水素の消費状況やバッテリーの回生状況など、走行中のクルマの状況を表示

おそらく少し積極的になれば、今後誰でも助手席ながらFCXクラリティに試乗する機会を得られると思う。11月3日に行われる日本EVクラブ主催のイベント(茨城県筑波サーキット)でも試乗させてくれることになっているらしい。

キーをオンにしても完全無音のEV(電気自動車)と違い「ビューン」系の送風装置の音など聞こえるものの、乗り心地や加速も普通の高級乗用車に全く負けていない。燃料である水素は軽いためフル充填してもわずか4kg! これで300km以上走れるというのだから驚く。ぜひ味わってみて欲しい。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます