後塵を拝した燃費自慢のトヨタ

プリウスより重くて大きいボディを持ちながら、JC08燃費は同等というアコードHV(ハイブリッド)がデビューした。今まで圧倒的な低燃費を自慢にしてきたトヨタの、初めての完敗である。なにしろアコードHVの30km/Lに対し、同じクラスに属すカムリHVは23.2km/Lなのだ。

アコードHV(ハイブリッド)

アコードHV(ハイブリッド)


どんなハイブリッドシステムなのか? 簡単な試乗インプレを。運転席に座りスタートボタンを押してもエンジンは掛からない。電気自動車と同じで、システムをスタートさせるだけ。Dレンジでアクセル踏むと、変速機を介さず電気自動車のように駆動用モーターで走り出す。

バッテリー残量が減るが、加速のためアクセルを大きく開けるとエンジンが始動し、発電機を回す。そこで作った電力+電池の電力で169馬力のモーターを稼働させ、元気よく走る。減速や停止のためアクセルを戻すと、直ちにエンジン停止。走行用モーターを発電機に切り替え、エネルギー回生を行う。

巡航中は少し複雑。「速度」「アクセル開度」「電池残量」により、電池で走るか、発電機によって作った電力で走るか、変速機を介さずエンジンで直接駆動するか、最小の燃費で走れるベストな方法を選択する。ハンドルを握っていると、エンジン掛かったり止まったりを繰り返している感じ。

ちなみに急加速しようとアクセル踏むと、エンジンの回転数が高まる。このあたりはプリウスなどトヨタのハイブリッドと似ている運転感覚だ。エンジン音や振動なども360万円のクルマの水準を超えるほど。70km/h程度からエンジン直接駆動になるけれど、その際のショック感じない。

低燃費を実現した3つの要因

何でトヨタのハイブリッドより燃費がいいのか? 1つはエンジンの使い方。ホンダ式だと発電機の駆動用として使うため、負荷や回転数の変化が少ない。結果としてエンジンを効率の良い状態で使えるのだった。もちろんエンジンの熱効率はトヨタに勝るとも劣らない。

2つ目は回生エネルギーを効率よく回収できるというもの。トヨタのハイブリッドはコストダウンのため一世代前のニッケル水素電池を使う。アコー ドHVが使っているリチウム電池と比べ、回生エネルギーの量にしておおよそ半分。そろそろトヨタも電池を新しくする時期だと思う。

3つ目がタイヤなど走行抵抗の徹底した削減だ。アコードHVの標準タイヤであるダンロップのECOタイヤは、世界一の転がり抵抗らしい。空気抵抗も徹底的に追求し、カムリを凌ぐ。逆に言えばホンダの開発チームが頑張った、ということである。これでトヨタも電池の刷新を余儀なくされるか?

アコードHVの標準タイヤであるダンロップのECOタイヤ

アコードHVの標準タイヤであるダンロップのECOタイヤ


気になる実用燃費は、一般の走り方を意識したモードで(テストコース内)、街中16~18km/L。流れのよい道や高速道路の100km/h巡航で20km/L程度だと思う。価格はナビまで標準装備して360万円。装備内容を同じにすれば、カムリHVとほど同じだと考えていい。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。