MAZDA(マツダ)/アテンザ

マツダ 新型アテンザに足りないもの

マツダ・アテンザはヨーロッパで人気のモデルだ。クルマとしての出来の良さが、彼の地の人々に評価されている所以だろう。母国日本に目を向けると人気は今一つ。新型アテンザを試乗してみた感想と合わせて分析。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

欧州での対抗馬は「407」「パサート」

アテンザ 走り
2代目となるマツダ・アテンザ。写真のセダンのほか、ハッチバック、ワゴンを用意する。搭載ユニットは2リッターと2.5リッター

アテンザというクルマ、ヨーロッパ市場では「マツダ6」という車名で販売しているのだけれど、相当の人気車だったりする。いわゆる「Dセグメント」と呼ばれるアテンザのクラスを見ると、もはや激戦区。プジョー407や、VWパサートといった強豪がズラリと揃う。そこで10%程度の販売シェアを持っているというのだから凄い。

ヨーロッパに行ったことのある人なら御存知の通り、彼の地の使用条件たるや極めてシビア。高速道路は日本よりはるかに高い速度域だし、ワインディングロードのアベレージ速度だって驚くほど。それでいて燃費も良くなくちゃならない。高い評価を得ているマツダ6は、ヨーロッパ車と真正面から戦える実力を持っているということです。

アテンザ・スポーツワゴン
アテンザ・スポーツワゴン
アテンザ・スポーツワゴン。ワゴンのボディサイズは、全長×全幅×全高4765×1795×1450mm。「カラクリトノボード」と呼ぶ、使い勝手のいいトノカバーを装備する

2007年11月のこと。フランスでヨーロッパ仕様の試乗会があり、新型マツダ6のハンドルを握る機会を得た。フランスの高速道路はドイツのような速度無制限じゃないものの、日本よりはるかに早く流れている。モンテカルロラリーの舞台のような岩山が連続する狭いワインディングロードも多数。

なるほど正統派の良いクルマだと感心しきり。マツダの面白さは、水泳に例えるとプールのような「理想的な条件」でのみ能力を発揮するヤワなクルマじゃないこと。海のようなタフな状況でもタフにチカラ強く泳げるのである。荒れた舗装路を高い速度で走っても全く不安無し。

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