スポーツもこっそり進化
20Sのインテリア。先代と比べて乗り心地は格段に向上した |
2台目の試乗車は20S(2リッターSOHC+AWD)です。
国沢:
動力性能以外の部分ではS-GTとの違いがあまりない。
永田:
そうですね。「クルマがドライバーの思う通りに動いてくれる」という面も同じです。ただ、こちらの方は一回り小さい16インチタイヤを履いているせいか乗り心地がいいのは強みではないでしょうか。
国沢:
セッティングの違いによるのだろうけれど、乗り心地は20Sの方が快適。コンセプトに「上質なクルマ」という部分も含まれている新型インプレッサであることを考えれば、このグレードが一番合っているのかも。
永田:
1つだけ不満を言わせもらえば、勾配がきついところだとちょっとパワー不足を感じてしまうことくらいですかね。
国沢:
確かにアップダウンの多いワインディングだと物足りないかも。4速ATなので2速のギア比が高いんだと思う。でも全体的には乗ると良さを感じるスバルらしいクルマに仕上がっている。
ターボモデルもNAモデルも走りに不満はないが、スバル車らしい「個性」は若干希薄か…… |
そして3台目が初期受注で65%を占める1.5リッターです。
国沢:
2リッターノンターボモデルのパワーを一回り落とした感じ。
永田:
そのまんまの感想です。何のヒネリもありません。もう一言ないですか?
国沢:
試乗コースがワインディングロードだから物足り無く感じたけれど、アップダウンの少ない街中なら十分なパワーだと思う。4WDより軽いFFモデルであればトヨタ・オーリスや日産ティーダの1.5リッターと同じくらいの走りを見せる。
永田:
実用燃費もいいでしょうから、通勤などで毎日乗る人にはおすすめです。
国沢:
新型インプレッサに乗ってみてどう思った?
永田:
スバルらしい奥行きのあるいいクルマだなぁ、と思いました。
国沢:
私も同感。だけど、何か物足りないような感じがしない?
永田:
はい。凄くいいクルマだと思うんですが強い印象は残っていないです。
国沢:
運転して楽しいし、計測していないから断言出来ないけどレガシィの燃費を考えれば、インプレッサはもっと良いと思う。
永田:
個性を売りにしているスバル車であることを考えると、印象の薄いところには「?」マークが付くかもしれません。
VWのTSIのような技術を盛り込んだ、新開発エンジンがほしいところ |
コンセプトとかはこのままでも、何か新しい技術があれば随分違った感じ方をしたんじゃないかと思う。例えば設計の新しい1.5リッターエンジンを作ったのだから、VWのTSIエンジンのように小排気量エンジン+過給機の組み合わせでパワーと燃費を両立させるとか。
永田:
スバルはスーパーチャージャーもターボも実績を持っています。その気になれば難しくでしょう。
国沢:
ヨーロッパ市場での販売を考えてということもあるんだろうけど、コンパクトクラスではない5ドアハッチバックというのも難しい。トヨタの販売力を持ってしても、オーリスやブレイドは販売目標台数(それぞれ3000台)を達成できない月が出始めた。
永田:
AT車で252万からスタートするS-GTを買うとしたら、インプレッサとはまったくベクトルの違うプリウスやゴルフも選択肢に入って来ますし。
国沢:
ファミリーカーとして使うなら完成度が高くて使い出のあるストリームもあるし、レガシィだって値引きまで含めた実売価格なら価格差は少ないかもしれない。
永田:
強力なライバルがたくさん揃う価格帯で新型インプレッサのコンセプトが日本のユーザーからどのくらい受け入れられるか大いに注目したいと思います。
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