少し手を入れればグッと良くなる
『マーチ12SR』は最近の日産を象徴しているようなクルマである。”味わい”についちゃ「いけません」。動きの渋いダンパーのせいで乗り心地はピョコピョコ。ステアリングインフォメーション悪く、ボディの剛性感もない。シフトフィールだってギコギコだ。ブレーキは初期制動力の立ち上がりが大きいため、奧まで突っ込んでドンとペダルを踏むような走りをすると車体のバランスまで崩れてしまう。パワーも「どうして1,4リッターでなく1,2リッターを選んだんだろう」と思う。
しかし! 乗っていて案外面白い。エンジン音のチューニングやトルクの出し方が上手く、けっこうスポーティ。ピョコピョコしながらもコントロールしやすい限界特性や、スポーティに走った時のABSの設定あたりに往年の日産を思い出させてくれます。
ダンパーとブレーキを変えるだけで、グッと良くなりそうな感じ。日産もそろそろコストカットばかりじゃなくクルマ好きの方を向いて欲しいな、と思いました。