劇的によくなったホンダ車の雪道性能
CR-Vから4WD全車に採用された姿勢制御装置VSAの効果は絶大 |
ホンダが使っている4WDシステムは「リアルタイム」と呼ばれるもので「前輪がスリップすると、そこで発生した油圧を使い後輪も駆動する」方式。つまり前輪が滑ってから後輪を駆動するためにタイムラグあり、しかも30km/hくらいから徐々に後輪へ伝わる駆動力は少なくなる。60km/h以上になれば完全なFFなのだ。だからこそ冬道のヘビーユーザーに評価されない。
しかもエンジンブレーキは前輪にしか作用しないため、滑りやすいアイスバーンでエンジンブレーキを掛けると、後輪の安定感が弱くなってしまう。ホンダもそのあたりの弱点を認識していたのだろう。少し前からリアルタイム方式を進化させ、後輪への伝達性能をアップさせてきた。
具体的に書くと、レスポンスを大幅に上げ、高速域でも前輪が滑ったら後輪に駆動力を伝えられるようにしたのだ。それだけじゃありません。エンジンブレーキが前輪にしか掛からないという弱点をカバーすべく、CR-Vから4WD全車に姿勢制御装置VSAをセットで装着するようになった。
この2点でホンダの4WDは劇的な性能向上を果たしたから興味深い。
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