見どころは、ダイヤモンドだけではありません。入口を入ってすぐの部屋には、ウフィツィ美術館所蔵のボッティチェリの絵画「パラス・アテナとケンタウロス」が飾られています。実はこの絵のアテナ神の衣には、ダイヤモンド原石をはめこんだ指輪(コジモ・デ・メディチの紋章)が描かれているのです。
この他、会場にはティツァーノ、ルーベンスらが描いた肖像画も。特に「フランス王妃、マリー・ド・メディシスの肖像」は圧巻で、ダイヤモンドの十字架を胸に下げ、大粒の天然真珠を散りばめたドレスを身にまとって立つ姿には、ただただため息をつくばかり。また、真紅のバタフライ・タイの真ん中に、白く輝く大きなダイヤモンドが描かれた「フィリップ・ド・フランスの肖像」はポスターに使われて、ローマの街中を彩っていたのでした。
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ダイヤモンド展ガイドブックの表紙、
「フィリップ・ド・フランスの肖像」
(ボルドー、ボルドー美術館所蔵)。
太陽王ルイ14世の弟、後のオルレアン公フィリップは
タイの中央に大きな四角いダイヤモンド
右腕にはブレスレットと指輪を着けています。
ブレスレットのダイヤモンド「レーヌ・メー(皇太后)」は
彼を生んだスペイン王女
アンヌ・ドートリッシュから受け継いだ名品です。
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ナポレオン3世の后、ウージェニーのブローチ。
1855年にパリで製作されたもので、
第2帝政崩壊後の1887年に売却。
王室ゆかりの名品とは知らずに手に入れた
歌手ルクレツィア・ボリは、このブローチを
オペラ座に寄付してしまったそうです。
ニューヨーク、メトロポリタン・オペラ所蔵。
Copyright: David Behl
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かつて東京展にもやって来た、
27.64カラットの「ハート・オブ・エタニティ」。
極めて稀少なヴィヴィッド・ブルーの
ハート・シェイプ・ダイヤモンドを身に着けているのは
スーパー・モデルのエヴァ・ヘルツィコワ。
(オープニング記者会見にて)Photo: PMF
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61.51カラットの金褐色のダイヤモンド
「タイガーズ・アイ」。1913年に
南アフリカで発見された時の原石の大きさは、
178.50カラットもあったとか。
ターバンの羽根飾りを思わせるブローチは、
カルティエがインドのマハラジャのために
デザインしたもの。個人蔵。
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