ゆでる目的
鶏のささ身のゆで汁は、捨てずに使い回す |
- 食品の消毒
- 苦味、渋味、アク、生臭味などの不味成分の除去
- やわらかくする
- 脱水
- 色をよくする
- タンパク質を固める
アクが強い野菜や小豆などのゆで汁は、不味成分が溶け出している場合が多いので捨てます。キャベツやニンジンなどのゆで汁は、旨味成分をもっているので利用します。数種類の野菜をゆでる場合は、同じ湯で、アクの少ないものから順にゆでていきます。
水からゆでるもの、湯からゆでるもの
■水からゆでるもの枝豆は熱湯で塩ゆでし、ザルに上げてウチワであおいで冷ます |
・トウモロコシやカボチャなど地上にできるがデンプンの多いもの
■湯からゆでるもの
・キャベツ、もやし、ブロッコリー、枝豆、さやえんどうといった地上にできるもの
■その他
・ゆで卵は水でもいいが、湯からの方がゆで時間が決まる
・肉や魚の場合は、料理によって違うが、香味野菜や酒などを加えた湯でゆでることが多い
塩を入れるもの、入れないもの
■塩を入れるものじゃが芋をゆでてつぶしたマッシポテトで作る「鮭入りポテトサラダ」 |
・ニンジン、ブロッコリー、とうもろこし、カリフラワーも塩を入れてゆでる。塩には軟らかくする働きがあるため
■塩を入れないもの
・じゃが芋には塩を入れない。特に新じゃがは、塩を入れてゆでるとベトベトになってしまう
ゆでたあと水にさらすもの、さらさないもの
■水にさらすものほうれん草を塩ゆでして水にさらして調味した「ほうれん草の中華おひたし」 |
■水にさらさないもの
・枝豆、もやしは水にさらさない。もやしはゆでる前も水に浸けておかない
青菜類は、ゆでたあとすぐに冷水で冷やせば、青々ときれいに仕上がります。しかし、水にさらすと「水っぽくなる」、「水溶性ビタミンが損失する」といった欠点が生じます。水にさらさずに、ザルに上げてウチワであおいで冷ました方が、旨味と栄養は逃げません。料理によって、彩りを取るか旨味を取るかを考えて対応します。
塩以外の何かを入れてゆでるもの
たけのこは糠を入れた水でゆでる。掘ってから24時間以内であれば水だけでいい |
・酢……れんこん、うど、ごぼうは水の5%くらいの酢を入れる
・おから……豚の角煮の豚肉は、おからと一緒にゆでると豚肉の臭みと余分な脂分が抜ける
・焼き明礬(やきみょうばん)……剥き栗や薩摩芋は、0.2~0.3%くらいの焼き明礬を溶かした中でゆでると、色美しく仕上がる
・小麦粉……白い野菜(カリフラワーなど)が、ゆでているうちに黒ずんでくるのを防ぐためには、少量の小麦粉、塩、酢を加えると良い
以下に、「ゆでる」に関連する用語の意味と方法を紹介します。
下ゆで
大根は米のとぎ汁で下ゆでする |
湯にくぐらせる
湯にさっとくぐらせたワカメを敷いた「鮪のみどり酢和え」 |
湯がく
キャベツ、ニンジン、サヤインゲンをさっと湯がいてから炒め合わせた「キャベツと豚肉の味噌炒め」 |
ゆでこぼす
小豆は1~2回ゆでこぼす |
湯引き(ゆびき)
赤魚の切り身を湯引きにして冷水にとって、野菜と一緒に煮た「赤魚と根野菜の煮つけ」 |
霜降り
かつおを焼き霜にした「かつおの叩きサラダ」 |
湯むき
トマトを冷凍すれば水につけただけでつるんと皮がむける。湯むき以上の出来栄え |