数字に表れない
薄型テレビの性能の決め手

数字のスペックは最新機種なら、各社間でおおむね横並びですので、結局どの製品を選べばいいか分からない場合もあるかもしれません。数字に表れない性能には次のようなものがあります。こちらはアーティスティックポイント(芸術点)といったところでしょうか。

■液晶方式、プラズマ方式
薄型テレビは液晶方式とプラズマ方式に大別されますが、サイズの豊富さ、製造メーカーの数の多さから今や液晶方式が主流であると考えていいでしょう。またサイズが多く、視聴環境を選ばないのも液晶方式です。

■VA方式、IPS方式
液晶方式はVA方式とIPS方式に大別されます。VA方式は50V型超の大画面まで広くカバーし、動画解像度の改善が進んでいますが、水平視野角にやや制限を受ける欠点があります。つまり、横から見るとコントラストが低下して見づらいのです。

一方のIPS方式は、水平視野角を大きく改善しましたが、現在最大47V型に止まっています。お目当ての製品がVA方式である場合、店頭でご自宅のリビングのソファの位置をシミュレーションして見づらくないか確認しましょう。両方式の採用は下記のようになっています。

・VA方式:シャープ、ソニー、三菱、東芝(大画面)
・IPS方式:日立、パナソニック、東芝(中小画面)

■バックライトの光源
液晶パネルはそれ自体が光らないために光源にバックライトが必要です。現在液晶テレビに使われる光源には、CCFL(冷陰極管)、HCFL(CCFLの発光効率を改善したもの)、LED(発光ダイオード)の3種があります。

ほとんどの製品はCCFLを使います。一種の蛍光灯の様なもので、パネル背後の配列の仕方に各社のノウハウがあります。CCFLより明るく、より少ない電力で発光できるのがHCFLで、ソニーが今春の新製品に初搭載しました。セットの消費電力を少なく抑えることができます。

ソニー、シャープの高級ラインに搭載されているのがLED。RGBの発光ダイオードを駆動する方式でCCFLよりも表現できる色の範囲が広く、純度の高い色彩が得られます。下記に、HCFLを搭載したソニーの製品、RGBLEDを採用したソニー、シャープの製品を紹介しておきます。

ソニーブラビア
シャープ アクオス

■チューナー一体型か、セパレート型か
超薄型はイコール軽さでもあり、壁掛けに適していますが、多くはチューナー分離型のセパレートタイプ。ラックの上に置いて使うなら、一体型の方がシンプルで使いやすいはずです。

セパレート型の場合、ディスプレイとチューナーの間はHDMIを使って接続するのが一般的です。パイオニアのプラズマテレビのように、専用ケーブルを使う場合もあります。壁掛け固定設置するなら、接続機器が増えてもテレビ本体へケーブルを再貫通せずにすむセパレート型が有利です。

■有線接続かワイヤレス接続か
ワイヤレス接続の快適さは実際に使ってみてわかります。テレビ本体から生えているのが電源コードだけだと、薄型化の恩恵で軽くなったテレビ本体を部屋の中で移動しやすくなります。

無線方式は赤外線と違って指向性が広く、電源コンセントさえあればそこでチューナーからの映像を受信できます。ただし、家庭内無線LANをお使いの場合は、使用周波数帯が重なる心配がありますので、送受信の周波数を自動選択する製品を選ぶといいでしょう。また、従来は映像音声信号を圧縮して送りますが、最近は非圧縮方式も登場しています。

ほとんどの製品に、オプションでワイヤレス送信ユニットが用意されています。ただし、実売価格で8~12万円と結構高価です。最近はソニーのKDL-40ZX1のようにワイヤレス無線を標準設定にした製品も現れました。同サイズの製品に比較して割高ですが、内蔵型のスマートさ、オプションを購入して取り付けることを考えると、良い買い物かもしれません。

■ネットワーク機能
従来のインターネットサイトの表示に加え、ビデオオンデマンドの映画ソフトやテレビの見逃した番組を見られるのが、現在の売りになっています。代表的なビデオオンデマンドのサイトがアクトビラで、ADSL、ファイバー等のブロードバンド回線をお使いなら、アクトビラ・ビデオフルでハイビジョン映像を見ることができます。

Yahoo!などがテレビ用インターネットサービスを開始、最近の製品は雑誌最新号の一部を見たり(デジ×マガ)、さまざまなサービスにアクセスできます。もちろん、メーカーのホームページなどを経由して一般のウェブページを見ることもできますが、テレビのリモコンを使っての検索や入力はパソコン並みに使いやすいとは言えません。

YouTubeへの対応も進んでいます。購入の際はこれらへの対応をチェックすること。昨年暮れからTSUTAYAオンラインのダウンロードサービスが開始されましたが、テレビ内蔵のHDDにダウンロードできるのは日立のWooo(UT770/800シリーズ、プラズマXR03)に限られています。

日立 Wooo
 
■リンク機能
「ビエラリンク」「ブラビアリンク」「アクオスファミリンク」。名称は違っても実は中身は一緒なのです。テレビとデジタルレコーダーをHDMIで接続した場合、テレビのリモコンを使ってレコーダーの操作ができます。HDMIのver.1.2aに含まれているCEC機能を使って動かすのです。

「じゃあ、A社のテレビとB社のレコーダーの組み合わせでも、ノープロブレムなの?」とお思いになるかもしれません。半分はその通り、半分はそうではありません。CEC機能には採用各社の自主的な裁量と機能開発に委ねる「ベンダーユニーク機能」という領域があり、それは自社製品同士の組み合わせで使われます。

分かりやすく言えば、ビエラとディーガの組み合わせでできることが10だとすると、ビエラと他社のレコーダーの組み合わせでできることは6~7まで減ってしまいます。CEC機能はテレビが主体ですので、リンク機能を使いこなしたいなら、テレビと同じメーカーのレコーダーを買った方がいいでしょう。



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