ガイド清水:「なぜ英語絵カードを作成するようになったのですか?」
佐古さん:「印刷業が軌道に乗ってからは二人共印刷物製作にかかわってまいりましたが、印刷物作成を受注するビジネスの将来性の低さを考慮し、印刷の世界で培ったノウハウと経験を他の分野で生かせる道はないかと長い間探し続けておりました。子どもに英語を指導していた佐古さんの奥様。英語カードの内容は彼女が考える。企画開発から印刷、販売まですべてをこなしている。 |
妻が英語を教えていた頃もパソコンを教材作りに使う機会はあったのですが、画像と文字を自由にファイル上で扱うスキルがいまひとつ不充分で、中学生向けの文字問題作りに使用していた程度でした。
インターネットで無料のイラストをダウンロードし、ワード上に貼り付けて加工し、インクジェットプリンターで印刷して、最後に耐久性を持たせるためにラミネートする。そんな教材作りを多くの先生方が全国で行っていらっしゃることを知ったのです。そして、私なりの視点からこういった先生方にお役に立てることはないだろうか?と考えたとき、問題点が浮かんできました。」
ガイド清水:「佐古さんのお考えになったた3つの問題点とは何ですか?」
佐古さん:「一つ目は、子ども英語の世界で使用されている絵カードのイラストは、海外のものが多いため、必ずしも日本人の目から見たときに子ども向きとは思えないタッチで描かれているものが多いということです。二つ目は、子ども英語教室の先生方が教材に費やせる予算が少ないこと。ですから、無料ダウンロードサービスなどに頼らざるを得ない場合が多いようです。欲しいイラストを集めるためには複数のサイトから異なったタッチのイラストをダウンロードして、バラバラなイラストが一つの教室内で混在してしまう結果となり、それを見た生徒さんたちが混乱してしまうだろうということです。
三つ目は、幼い生徒さんたちが絵カードを扱う際、折る、破るなど痛めてしまう可能性は極めて高い。だからといって『再利用可能な資源』である紙にラミネートをすることは、省資源とエコ対応が求められている時代の流れに明らかに逆行していますね。これは、ラミネートをしなくてもいいレベルのコシと厚みを持った両面インクジェット印刷対応の用紙が少ないことも原因のひとつでしょう。」
ガイド清水:「それで、印刷屋さんの立場から解決策をお考えになられたのですね。奥様が子どもに英語を教えるお仕事をなさっていたことも解決のアイデアを練る助けになったのでは?」
佐古さん:「はい、妻は会社設立以前から数年間、小・中学生に英語を教えておりました。印刷会社起業後も、オフィスの一角を使用してしばらくの間は教室を続けていましたね。今では、絵カードの内容を考えてくれる力強い助っ人です。」