アメリカの書店へ児童英語教育用の教材を探しに行った時のこと。
「……なんだかネガティブな言葉だなぁ。」
これは私がアメリカでNo Child Left Behindと書かれた児童のCD-ROM教材を見たとき、最初に思ったこと。2003年頃からアメリカの教材に印刷されている言葉です。それ以来、アメリカの英語教材や、ウェブサイトを気をつけて見ていると、大変多く見かけるようになりました。
そんなことが本当にできるの?夢のようなスローガン
学力低下問題はアメリカでも然り。算数、数学の指導を日本に研修に訪れるアメリカ人教師たちも現れてきた。 |
日本も、小学校英語教育必修化で揺れていますが、教育問題はアメリカでも同じように討論されています。そもそもアメリカには日本のように文部科学省のような機関がないため、教育は州の方針に任され、州ごとに特徴ある教育がされています。これまでの州ごとにバラバラな教育がNCLB法によって、横軸が通り、子供の学力の達成目標が出来ました。
■こぼれ話
アメリカの教育現場では、小学校でも飛び級、留年も珍しくありません。飛び級する子供は能力も高いと認められ、どんどん進級していきます。テレビ、雑誌などでも9歳で大学生というニュースも流れることもありますね。一方、成績が悪ければ、小学校4年生であっても、もう一度小学校3年生のクラスにいて勉強をやり直すのです。
NCLB法で国語と算数を毎年テスト実施
テストは、3年生(小3)~8年生(中2)まで毎年実施されます。その後は12年生(高3)までに1回以上行われます。国語と算数の共通テストは州ごとに作られます。今年でNCLB法が制定されて5年目ですが、成果を挙げているのでしょうか?
毎年、国語と算数のテストが行われますから、学校側もテスト対策に追われることは必至。子供たちに良い成績を修めてもらうことは学校の評価にもつながります。単純に言えば、州の共通テストで達成基準をクリアした数字が高ければ高いほど、学校の評価は上がります。逆に、低ければ、もっと良い成績を取らせたいため、学習時間数を増加させるというような英才教育が始まります。また地域によっては数字操作が行われている(英語)という恐ろしい事実も……。