英語教育は幼いうちからスタートした方が良いと言われています。 それはなぜでしょうか?最近では医学の発展により、言語を認識する 私たち人間の脳の構造がだんだんわかってきました。 脳の中を科学的に調べることができるようになったことで、具体的に どのように日本語・英語を理解し話せるようになっていくのかが 目に見えるようになりました。
何歳から英語教育をスタートするべきか迷いますよね。脳の立場から 話を進めると「出来るだけ早い方が良い」という結論です。では もっと具体的にお話しましょう。
11月18日公文教育研究会主催の講演会に参加しました。 講演タイトルは「英語脳を創る」。講演者は竹村和浩氏でした。 竹村氏はTLL言語研究所を設立している英語教育研究家・教育評論家 として第一線で活躍している人です。竹村氏の講演内容はざっと下記 のようなことでした。
■脳について
言語を認識する脳の部分にウェルニッケ野とブローカ野がある。
ウェルニッケ野・・・文字と話言葉の両面から音を分析する役割がある。
ブローカ野・・・・・唇、あご、舌の動きを発語と結びつけ、文字を音に変換する役割がある。
この二つの脳の部分が言語活動には大変重要な役割を果たしている。 簡単に言えば、ウェルニッケ野は「聞く能力」、ブローカ野は「話す能力」を つかさどっている。
■英語の音・日本語の音
日本語の音と英語の音には共通の音がない。
日本語の音・・・125~1500 hz
英語の音・・・・2000~12000 hz
「語音」とは言葉自身の音であるリズム・言語である。この音は左脳で理解される。 「純音」とは自然音である。メロディー旋律、和音、川の音、鳥の声など右脳で理解される。
■英語と日本語の脳の認識の違い
英会話のまったく出来ない東大生とバイリンガルの大学生の実験では、 脳の英語を理解する場所に大きな違いが出た。東大生は英語も日本語も 脳の同じ場所で理解しているのだが、バイリンガルの大学生はそれぞれの 言語を認識する脳の場所がまったく異なるのである。つまり、バイリンガルの 大学生には英語を理解する脳の回路が存在していることになる。
ちょっと話がかたくなってしまいましたね。以上の講演内容からもわかるように 脳の働きからいうと、「英語脳」は創ることができるという結論になるのです。
では私たちは0歳から12歳の児童期に何をしてあげれば「英語脳」を創ることが できるのでしょうか?具体的に挙げていきましょう。
★1歳までに英語の音を聞かせましょう。
母国語としての言語を認識する脳の聴覚マップは1歳までにほぼ完成します。 それまでに聞いた音は聴覚マップに認識されていきます。それ以後に英語を 聞かせ始めると第2言語として認識されていきます。
★おそくとも10歳までに英語を聞いて発音させましょう。
限りなくネイティブに近い発音ができるためにはおそくとも10歳までに 英語の音を聞かせておくことが大切です。この時に目からの刺激として アルファベット(フォニックスなどで)を見て発音するとよいそうです。またLとRの聞き分けがしっかり できるようになります。
★幼い頃にオーケストラの音楽を聞かせましょう。
音楽と英語というと別の物に思われるかもしれませんが、英語の音は オーケストラの音のヘルツと近いものがあるのです。例えばピアノなどの 弦楽器は英語の高い音、トロンボーンなどの管楽器は英語の低い音に非常に 近いそうです。オーケストラはこれらの音を同時にきくことができます。 ということは脳の中にこの音の認識ができる回路ができれば、 英語の聞き取りが抜群に良くなるということです。
★とにかく続けましょう。
脳の中に英語の回路が作られていく過程において、途中で英語の学習を やめてしまうと、せっかく太くなりつつあった英語の音を認識する脳の中の シナプス(パイプみたいなもの)が消滅してしまいます。このシナプスは 一度太くなって完成すると一生消えません。ですから、それまでは 英語学習を根気良く続けることがとても大切です。
日本という環境における英語の学習は子供であっても大人であっても大変努力のいることです。 TLL言語研究所では大人でも英語の回路を創る方法も研究し、実践しています。 30歳、40歳を越しても英語脳は創ることができるのだそうですよ。 もっと詳しく脳から見た言語学習について知りたい方は下記までお問い合わせ くださいね。
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関連サイト:
All About Japan「子供の英語教育」