インフルエンザにかかると、赤ちゃんが流産、早産をする可能性もあります
多くの妊婦さんは赤ちゃんへの影響が心配だと思いますが、どうなのでしょうか。「今回の新型インフルエンザが胎児に及ぼす影響としては、妊娠初期の人には流産、中期以降の人には早産が少し増えることが報告されています。また母体に高熱が続くと、まれではありますが、胎児に脳性麻痺など神経学的後遺症が残ることもあるので油断はできません。」(斎藤先生)
お腹の赤ちゃんが直接インフルエンザに感染することないのですが、母親が大きく体調を崩せば赤ちゃんも無関係ではいられません。
ただ、母と子が一体であるということは、いいことも共有できます。
母親が予防接種を打つことで、母体の抗体を、胎盤を介して赤ちゃんにもあげることができます
「お母さんがワクチンを打つと、赤ちゃんにも抗体をあげられるんです。」と斎藤先生はいいます。「これはお母さんがワクチンを打つ大きなメリットといえるでしょう。母親が予防接種を打つと2週間くらいで体内に抗体IgGが作られますが、これは胎盤を通過して赤ちゃんに運ばれていく仕組みになっているんですよ。」
赤ちゃんは、生後6ヶ月まで、お腹の中でもらった抗体に守られます
赤ちゃんはお腹にいる間は守られていますが、出産後は、そこにウイルスがあれば直接さらされてしまいます。「新生児は、1歳になるまで予防接種が打てません。その上、赤ちゃんのナチュラルキラー細胞はまだ弱くて一般人の4分の1か5分の1の機能しかないのです。お母さんが妊娠中に予防接種を打つと、赤ちゃんの体内には生後6ヶ月間は母親からもらった抗体があり、発症率が6~7割減ると言われています。」