日本でもお産の漢方薬としてポピュラーになってきた当帰。 |
東京・目黒区にある漢方薬局・桑楡堂(そうゆどう)薬局顧問の邱紅梅先生(中医師)に、妊娠・出産・産後に活躍する代表的な生薬の効能をしっかり教えていただきました。中国3000年の歴史と邱先生の経験に裏打ちされた智恵の結晶というべきリストです。
当帰(とうき)
■貧血の改善(補血)色の白い方が白芍、茶色い方が赤芍。 |
■血行をよくしてホルモンバランスを改善する。産後養生、悪露排出、子宮復古などによい。(活血調径)
白芍(はくしゃく)
■貧血の改善(補血)■こわばる筋肉を柔らかくして、こむらがえりなどの筋肉痙攣を妨げる。(抗痙・こうけい)
ナツメ。鉄分や食物繊維の含有量はプルーンを上回るほどです。 |
赤芍(せきしゃく)
■産後の子宮復古、悪露の排出によい。大棗(たいそう=ナツメのこと)
■妊娠中の疲労、産後の育児疲労の緩和(補気)■貧血の改善(補血)
■胃腸の働きを良くする。(健脾)※脾=消化器の総称
陳皮。ミカンなので、家庭で干して手作りする人もいるそうです。 |
■精神不安、不眠を改善し、妊娠中や産後のうつ状態、不眠症などによい。(安神)
陳皮(ちんぴ=ミカンの皮)
■つわり時の悪心、嘔吐、食欲不振枸杞子 |
枸杞子(クコシ)
■精神不安■妊娠中や産後の貧血改善
■眼精疲労の改善
白人参(シロニンジン)
■妊娠、産後の疲労緩和(高血圧の人は不向き)白名人参 |
自分の身体を知り、全身の調和を考えていくこの医学は大変合理的です。そして、じっと脈に触れ、話を聞きこんでいく診察には、私たちを人として全体的に診てくれる優しさがありました。
これから中医学がもっと身近になっていくことを願わずにはいられません。
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