子宮は、中も洋梨の形をしている?
中は平らな三角の袋です。そして上の左右には、細い道の入口があります。細い道の向こうはどうなっている?
細い道とは「卵管」です。卵管の最後には、卵巣からお腹の中に出てきた卵子をキャッチして取り込む「卵管采(らんかんさい)」という器官があります。受精卵は、この道を転がって子宮に入ってきます。
卵管はどうやって受精卵を転がすの?
べん毛の動きで転がるなどいろいろな仕組みがあるのですが、まだわかっていないことがたくさんあります。フシギなのは、この道は、どちらの方向にもうまく進める、ということです。というのは、卵管は、子宮に入ってきた精子が、卵子に出会うために出て行く道でもあるのです。精子が卵子が出会うのは、卵管の最後の方のふくらんだ部分。ここで受精が起きると、受精卵は5日くらいかけて子宮へやってきます。最近では、受精卵が転がっている時は、子宮と何かコミュニケーションをとっているらしい、ということがわかってきました。「もうすぐ行くから」という信号を送りながら、転がってくるようですよ。
精子は、どうやって子宮にたどりつくの?
膣も子宮も酸性で、精子にとってはとても過酷な環境です。また子宮の入り口も粘度の強い粘液で封じられてほとんど入れないのですが、排卵の時だけは卵巣から出るホルモンの影響で、粘液がさらさらになります。その時だけ、精子は子宮に入れるのです。妊娠すると、子宮はどんな風に変わり始める?
子宮は毎月、受精卵が来たときに備えて内膜を分厚くしています。1cmくらいの厚さになり、この様子は今では超音波ではっきり観察できます。そして本当に受精卵がやってくると、受精卵は子宮内膜のベッドに埋まります。そして、受精卵、子宮内膜の双方から血管が伸び始め、胎盤を作り始めます。
そして子宮の壁全体が、大きくなるためにやわらかくなります。血流量も増え、大きく、重たくなっていきます。
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■監修・竹内正人先生(東京・葛飾赤十字産院 産科第二部長)
マタニティ誌やNHK教育「すくすく子育て」でご存じの方が多いかもしれません。毎日たくさんのお産や手術をこなす中、説明と笑顔を忘れないフレンドリーなドクターです。
イラスト/平井さくら