妊娠の基礎知識/妊娠週数・出産予定日の数え方

出産予定日の計算方法(ネーゲレの概算法)

出産予定日は、生理周期が28日型の場合、最終生理の初日から数えて280日目、週に換算すれば40週です。その後、個人差がほとんどない妊娠8~11週頃の胎児のCRL(頭殿長:とうでんちょう/座高)を超音波で測定し、その予定日が適当であるかを確認し、必要な時は予定日を修正します。出産予定日の計算方法は、ネーゲレの概算法が便利です。

竹内 正人

執筆者:竹内 正人

妊娠・出産ガイド

出産予定日の計算の仕方

出産予定日は、生理周期が28日型の場合、最終生理の初日から数えて280日目、週に換算すれば40週です。その後、個人差がほとんどない妊娠8~11週頃の 胎児のCRL(頭殿長:とうでんちょう/座高)を超音波で測定し、その予定日が適当であるかを確認し、必要な時は予定日を修正します。28日型周期の出産予定日の計算方法と、そうでない場合の出産予定日の求め方を紹介します。

【INDEX】  

出産予定日の決め方の計算は、生理初日からカウント

出産予定日の計算は、生理初日からカウント

出産予定日の計算は、生理初日からカウント。28日型の場合、ネーゲレ概算法が便利

生理周期が28日型の場合、最終生理の初日から数えて280日目が出産予定日となります。週に換算すれば40週(280÷7)です。

妊娠は、最終生理が始まってから2週間後に排卵があり、そこでタイミング良く卵子が精子と受精をし、さらにその1週間後に受精卵が子宮内に着床すると成立します。妊娠週数の計算は生理の初日からカウントされているので、妊娠期間にはまだ妊娠が成立していない受精までの2週間(着床までの3週間)が含まれていることになります。

となると、妊娠をした場合、予定の生理がくるころはすでに妊娠4週。生理が1週遅れて妊娠反応が陽性となり、さらに1週間後に産婦人科を受診すると、生理が2週しか遅れていないのに、妊娠6週ということになります。
 

妊娠週数や妊娠月数の数え方は少し特殊

「え~もう?」と、驚いてしまう方がいるのは、妊娠週数の数え方が少し特殊だからです。

受精してからの期間は(妊娠週数-2)週、妊娠が成立した着床からの期間は(妊娠週数-3)週ということになります。

妊娠月数の数え方も、少し特徴があります。予定生理前の0~3週を妊娠1ヶ月と数えるので、生理予定日であった妊娠4週~7週までの4週が妊娠2ヶ月、8週から妊娠3ヶ月となります。月数も妊娠前からカウントが始まるので、感覚としては1か月進んでいるように思うかもしれません。

16週からは[(16÷4)+1]で妊娠5ヶ月、24週から妊娠7ヶ月[(24÷4)+1]、36週からは臨月で妊娠10ヶ月[(36÷4)+1]となります。
 

生理周期28日型の出産予定日は、ネーゲレの概算法で計算

ネーゲレの概算法を使えばだいたいの出産予定日がわかります。
 
  1. 最終生理のあった月-3出産予定月
    (引けない時は9を足します)
  2. 日にち+7出産予定日

(例)
最終生理が始まった日が12月3日の場合、
出産予定日は 9月(12-3)10日(3+7)

最終生理が始まった日が1月15日の場合、
出産予定日は 10月(1+9)22日(15+7)になります。

ただし、このようにして出産予定日を計算できるのは、生理周期が28日型の場合だけになります。それは28日型でなければ排卵が14日目にならないからです。

 

生理周期28日型でない場合、概算法で出産予定日は計算できない

生理は排卵後14日目に始まります
妊娠していなければ、排卵の後14日目に生理が始まります。28日周期では14日目に排卵となるので、生理周期の真ん中が排卵と思っている方が多いようですが、実はそうではありません。

生理周期にかかわらず、排卵してから14日目に生理というのはかわりません。すなわち、34日周期の場合、排卵は真ん中の17日目にあるのであるのではなく 、生理予定から14日前(34ー14)で20日目にあることになります。44日周期では、同様に22日目でなく(44-14)で30日目が排卵となります。

周期の違いは、あくまでも生理から排卵するまでの日数が違いです。28日周期の場合は、生理予定の28日目より14日前の14日日に排卵が起こります。それが生理期間の真ん中ということで、真ん中だから14日目に排卵があるのではありません。

妊娠期間が最終生理から280日というのは、28日型を前提としているので、生理周期が違っていれば、排卵が14日目ではなくなるので、この概算法が当てはまらなくなります。その他、最終生理をきちんと覚えていない方もいるので、その場合も概算法は使えません。
 

妊娠初期の超音波検査で出産予定日を修正することも

先に説明したように、最終生理からの出産予定日は実際と外れていることがとがあります。そこで、妊娠初期に予定日の評価をします。

実際には、本人の申告した最終生理から暫定的に予定日を決めておいて、個人差がほとんどない妊娠8~11週頃の CRL(頭殿長:とうでんちょう/座高)を超音波で測定し、その予定日が適切であるかを確認をします。
低解像度

 妊娠初期の胎児CRL(頭殿長)

例えば最終生理から求めた概算法にもとづく出産予定日は10週1日なのに、胎児の頭殿長を測定すると、上の超音波写真のように20.5mmしかなく、9週1日相当であれば、予定日も1週間遅らせます。これを予定日修正と言います。

修正の場合、たいていは排卵が遅れたと思われる分だけ、出産予定日を遅らせることになります。また、最終生理をよく覚えていなかったり、生理と思っていた出血がそうでなかった場合なども、初期の胎児の頭殿長を測定することで、出産予定日を決定します。なお、予定日修正の場合、1週以内の誤差であれば、変更をしない場合もあります。

出産予定日という名前から、この日に出産になると思っている方もいますが、 この日はあくまで赤ちゃんが40週0日になる日にすぎません。予定日ちょうどに生まれるケースは5%もありません。僕は出産予定日という名称は誤解を招きやすく、不適切だと思っています。


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