結婚式・披露宴マナー/結婚式のスピーチ・祝辞

プロに聞く、結婚式のスピーチのコツ(前編)

結婚式のスピーチを依頼され、どんな話をしたらいいのか毎晩考えあぐね、当日まで原稿を何度も読み返しては書き直し……と悩んだ経験ありませんか?今回は「幸せを呼ぶ美しい結婚式スピーチ」のサイト管理人の鈴木英世さんにスピーチのコツを伺ってきました。

中山 みゆき

執筆者:中山 みゆき

冠婚葬祭ガイド

結婚式のスピーチを依頼され、どんな話をしたらいいのか毎晩考えあぐね、当日まで原稿を何度も読み返しては書き直し……と悩んだ経験ありませんか?今回は「幸せを呼ぶ美しい結婚式スピーチ」のサイト管理人の鈴木英世さんにスピーチのコツを伺ってきました。前編、後編と2回にわたってお伝えします。

つかみと締めを上手く決めるポイントを教えてください

メモは、効果的な持ち道具として、さっそうと、手にすることが大切です。そして最初と最後はメモを見ないで、顔を上げてあいさつをするように

スピーチは、交響曲のようなもの。「つかみ」のセリフは、スピーチの重要なモチーフの伏線となり、転がっていきます

結婚式スピーチは、新郎側主賓(多くは男性)、新婦側主賓(男性と女性は半々)、新郎側友人代表(男性に限る)、新婦側友人代表(女性に限る)、共通の知人(男性と女性は半々)とだいたい、以上の方々が登場します。

まず「つかみを上手く決める」には、それぞれの立場で、自分と新郎あるいは新婦との、ふだんの接し方、スタンス、力関係を、冒頭で聞き手に示すことが基本です。

男性主賓であれば、フレンドリーな上から目線で、ユーモアのあるジャブ。女性主賓であれば、親愛の情を、肉親のような目線で今日の感想をのべる。新郎側友人代表であれば、対等の立場で、新郎の最も「男」の部分を立てる。新婦側友人代表であれば、どれほどうれしいのか、気持ちを具体的に表現する。聞き手に、「あ~そうなんだ~」と感じてもらうところから、スタートします。

そして「締めを上手く決める」には……そんな必要はありません。そもそも「締め」という概念に誤りがあります。スピーチは、交響曲のようなものです。「つかみ」のセリフは、スピーチの重要なモチーフの伏線となり、転がっていきます。そして、新郎新婦へのはなむけが、実は「つかみ」でスタートしていることを、聞き手が最後に理解し、喜んでくれるのです。そのあとで、「以上をもちまして~」などと言うのはスピーチの破壊です。

適切なはなむけで挨拶をまとめ、最後はあっさり終わります。だからこそ、さっきまで、楽しい話で楽しい時間を過ごしたことが、聞き手の心に残るのです。

新郎新婦側、どこに目線をおいてスピーチすればいい?

これも、スピーチの立場によって、違います。スピーチ用のマイクは、メインテーブルと会場との中間に向けて設置されます。話し手は、最初ナナメに立つことになります。

主賓であれば、聞き手へ向けて話をする時間が多くなりますので、新郎や新婦への問いかけは、顔だけを向けるかっこうになります。冒頭では、必ず新郎新婦に挨拶しますので、ここでは、新郎新婦に向かって立つことになります。

友人代表では、新郎あるいは新婦に問いかけたり、返事を待ったり、新郎あるいは新婦のリアクションを受けて、聞き手に語りかけたりしますので、ややメインテーブルの方を向いて話します。

その仕草をどう段取りするか、といえば、スピーチ原稿が完成した時点で、細かく、アクションを決めていきます。この練習をしないで本番に臨めば、目がうつろな状態で、聞き手にアピールすることが難しくなります。

余談ですが、スピーチにはテクニックがあります。例えば会場を横8の字の目線でなめていくなどですが、素人さんには難しいものです。もし短期間でスピーチの完成度を高めたいならば、プロに相談するのも手です。

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