事故でケガをしたのに健康保険が使えない!?

健康保険と自由診療の違いは?

健康保険と自由診療の違いは?

私たちが病気やケガをして病院で治療を受ける場合、健康保険を使うと自己負担は一般的に3割です(3歳以下の幼児や70歳以上の方など一部を除く)。

ところが、交通事故(人身事故)でケガをして医療機関で治療を受ける際に健康保険が使えないと言われることがあります。健康保険を適用しない場合、自由診療の扱いとなります。

健康保険扱いと自由診療扱いとでは何がどう違うのか。また、健康保険が利用できないというのは本当なのでしょうか。

実際、自分がケガをしている状況で、体の治療をしてもらう医療機関に対して色々聞きにくいところなどもあると思います。今回は交通事故と自由診療、健康保険との関係について解説していきます。

交通事故にかかわる公的保険には何がある?

その前に、交通事故に関係する我が国の公的な保険制度について簡単に確認しておきましょう。

●健康保険
健康保険は、適用事業所で働く被保険者(健康保険の対象者)とその被扶養者(被保険者に扶養されている家族)を対象に、「業務外」の事由による病気やケガなどについて保険の給付を行う制度のことを言います。 

●労働者災害補償保険制度(以下、労災保険)
労災保険は、労働者の「業務上や通勤途上」の病気やケガ、障害、それに伴う介護などに対して保険給付を行う制度を言います。

通勤途上や業務中であれば労災保険が適用され、そうでない場合は健康保険を利用するというのが原則になります。

自由診療と健康保険とは何が違う?

医療機関の治療費というのは診療報酬点数表に基づいた点数制度になっています。点数制度というのは、例えば治療した結果(使った薬など個別に点数がある)合計○○点で、これに所定の単価を掛けて医療費を算出します。

患者はこのうちの自己負担分を窓口で支払い、残りは公的医療保険で支払われるという仕組みです。

このときの単価が、健康保険では1点が10円と定められています。しかし、自由診療ではそれがなく、医療機関ごとに自由に決めることができます(だから「自由」診療)。自由診療だと1点あたりの単価が健康保険の倍になっていることも珍しくありません。

そのため、健康保険か自由診療かで治療費の総額が大きく変わることになります。

事故で自分も過失を問われ、負担が発生したら…?

仮に自分が交通事故の被害者になって怪我をした場合、加害者である相手方が悪いなら相手が損害賠償することになります。

どうせ相手(もしくは相手が契約している保険会社)が治療費を支払うから、健康保険でも自由診療でもいいんじゃないかと思った人もいるでしょう。ところが、交通事故はさまざまなケースがあるので必ずしもそういうことにはなりません。

例えば人身事故で自分が怪我をした場合、相手の方が過失割合が高くても、こちらに落ち度があれば過失を問われるケースもでてきます。人身事故だと、死亡であれば3000万円、傷害であれば120万円を限度に自賠責保険から支払いがされ、これを超えるところから任意の自動車保険(相手の対人賠償責任保険)の支払い対象となります。

こちらも過失を問われた場合、仮に自賠責保険の範囲で治療費や慰謝料、休業損害などが収まれば、一般的には負担は発生しません。これを超えた分から自分の過失が関わってきますので、このようなケースなら健康保険を利用することで自己負担を減らすことができます。