忙しい家庭のニーズに応えて
ONCを設立した渡邊真弓さん。5人の子を持つお母さんです
"働くお母さん"と一言で言っても働き方は多様で、それによって求められる子育て支援も変わってきます。家庭の事情や家族構成も様々で、同じ低学年でも1人っ子や長子である場合と、きょうだいがいる場合では心配ごとも変わってくるでしょう。既存の学童ではすべてのニーズには応えきれなくなっています。
ONCはその多様なニーズの中で、フルタイムであったり、残業時間が多かったりと、就業時間が長く、子どもと過ごす時間が少ない家庭のための学童クラブです。
そのため、費用は入会金3000円、年会費6000円、毎月の月謝は週5日で1万1000円から1万9000円と、一般的な学童クラブより高めに設定されています。
学童としては高いという印象を受けるかもしれませんが、開館時間が20時まであることや、塾や習い事をも兼ねた場所であると考えると、決して高くはないでしょう。
「財政的には厳しいですよ。学童クラブは、区の助成金を申請できるのですが、ONCでは申請していません。助成金をもらってしまうと活動が制限されてしまうんです。放課後の子どもの見守りが中心で、カリキュラムを組むことができなくなってしまうため、月謝と寄付だけで運営しています」
1人親家庭への配慮や、中高一貫校や私立中学を受験する5~6年生を対象にしたプレパラトリーコースもあるなど、学童保育の枠に留まらないカリキュラムが好評で、現在、公立4つの小学校と私立小学校から30名の子どもたちが通ってきます。
子どもたちに話を聞いてみると
「学校の友だち以外の人と仲良くなれるのがいい」
「宿題を教えてもらえたり、予習ができたりするのがうれしい」
「勉強が終わった後に、いろいろな子と遊べるのが楽しみ」
と、ONCでの時間を充分に楽しんでいる様子でした。
子どもたちの第3の居場所
入り口には子どもたちの書道の作品が飾られています。どの子も伸び伸びとしたいい字を書いていました
「子どもは学校と家庭と、社会が2つしかありませんが、ここは、子どもにとっての第3の居場所。通う学校も年齢も様々な子どもたちが、わいわいと楽しく過ごし、安心して学べる場所になってほしいと願っています。」
渡邊さんはそういいます。
今後の課題は、より多くの指導者を養成してONCの学習内容の密度を濃くすることと、学習支援が必要な子にも対応できるような体制を作っていくことだそうです。
どの子にもこういった学童クラブが必要かといえば、そうではないでしょう。でも、家庭のあり方が多様化している時代だからこそ、子育て支援のあり方はもっと多様であってほしいですよね。こういったNPO発の学童クラブは、今後も様々な形で求められていくのではないでしょうか。
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