忙しいお母さんが創った学童クラブとは?

葛飾区にある
学校から帰ってきたらまず宿題。そして100マス計算やドリル。家庭でお母さんが勉強をみるように1人、1人をていねいにみていきます

学校から帰ってきたらまず宿題。そして100マス計算やドリル。家庭でお母さんが勉強をみるように1人、1人をていねいに見ていきます

お母さんが創ったNPO学童育成クラブ(ONC)は、NPOが運営する学童クラブです。その内容は一般的な学童クラブとは、少し異なっています。

まずは開館時間。学校のある日は放課後から20時までで、土曜日も8時から19時まで開いています。対象は1年生から6年生です。この点も異なりますね。

大きな違いは、一般の学童クラブにはないカリキュラムが充実している点です。学校から帰ってきたら、まず、30~40分、宿題と100マス計算、それに通信教材のドリルをします。続いて、月曜日は英語、そろばん、硬筆、漢字検定トレーニング、火曜日はクラブ活動、水曜日はピアノレッスンと、毎日、カリキュラムが組まれ、どの子もこのカリキュラムに参加した後、自由時間になります。

「これは私が母親として通わせたい習い事を全て盛り込んだ内容です。親の帰宅の遅いご家庭では、勉強をみたり、習い事に通わせたりという時間を充分に取ることができないと思うんです。そういった家庭に変わって、居場所を提供し、塾や習い事の役目も担う、学び、体験するための学童なんです」

ONC代表の渡邊真弓さんは、そう話します。

設立のきっかけは、学童の壁

取材にうかがったのはクラブ活動の日。手芸クラブで浴衣の帯の作り方を教えてもらっています

取材にうかがったのはクラブ活動の日。手芸クラブで浴衣の帯の作り方を教えてもらっています

学童保育は、働くお母さんの強い味方ですが「壁」があるといわれます。1つは、小1の壁。保育園に比べると終了時間が早いため、勤務時間の都合でお迎えに行くのが難しくなってしまいます。

また、受け入れは3年生までに限られている所が多いため、4年生以上になると夏休みなどの長期間の休みの際には、子どもの居場所がないという悩みもあります。

ONCは、そういった悩みを解決するために、6年生を頭に5人の子を持つお母さんである渡邊さんが立ちあげた学童クラブです。渡邊さんは元々国家公務員でしたが、子育てをしながら、キャリアを継続することの大変さを痛感していたといいます。

「子育てをして、何が足りないのか、行政に何をしてほしいのかが、自ずと見えてきました。私は、それをどこかに訴えるより自分で作ったほうが早いと思ってONCを立ちあげました。

フルタイムで働いていると学童が終わる時間には帰れませんし、習い事も思うようにさせられませんでした。子どもの成長過程を犠牲にしているようでこれでいいのかという疑問がありました。そう思うお母さんは、私だけではないと思います。そこで、学習指導をする役割も担うことで、親が安心して働ける新しい学童システムを作ろうと思って立ちあげたのがONCです」(渡邊さん)

カリキュラムの講師はピアノをのぞき、渡邊さんとスタッフがつとめます。実は渡邊さん、救急救命士やスクールカウンセラーなど36もの資格を持つほか、珠算や書道も相当な腕前なのだそうです。そのため、習い事としてカリキュラムにだけやってくる子もいます。