マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

マンションの間取り研究(4) 収納の使い勝手(2ページ目)

マンションの収納は戸建に比べどうしても少なくなりがち。マンションの限られたスペースだからこそ「効率的で使い勝手のよい収納」が必要なのです。どこに収納があると便利? どんな形の収納が使いやすい? マンションの間取りを用いて、使いやすい収納例を見てみましょう。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド


使いやすい収納の位置は?

各場所に設けられた収納をチェックしていきます。まず、玄関周りから見てみましょう(下部の【図2】参照)。

■玄関のシューズインクロゼット
長モノ・外モノの収納場所を確保しよう。

長モノ・外モノの収納場所を確保しよう。

この間取りでは、玄関にシューズインクロゼットがついています。シューズインクロゼットとは靴専用の収納のことですが、靴だけではなくゴルフバッグやスキー板などの長モノや、ベビーカーやサッカーボールなど外で使用するものをしまえるのでとても便利です。

 


■廊下収納
廊下に面して収納がついています。ここには掃除機や買い置きなど、家族が共用するモノをしまうことになります。このような位置にちょっとした収納があると重宝しますよ。

■洗面化粧室のリネン庫
洗面化粧室には、この間取りのように洗濯洗剤やタオル・バスタオルなどが収納できるリネン庫がついていると便利です。

マンションの間取りではちょっとしたデッドスペースにも収納を設ける努力をしているかどうか見てください。洗面化粧室など面積の小さい室なら特に、収納が欲しいところですよね。

■洋室(1)のウオークインクロゼット
洋室(1)の北側に大型ウオークインクロゼットがついています。面積そのものは3畳強と広く、収納量が取れそうですが、意外とデッドスペースが多く、効率は「△」。洋服をしまう目的であれば、このようなウオークインの形でなくても、奥行きが60センチ程度で間口が広い方が収納しやすいです。

■洋室(2)のクロゼット
間口が広く、奥行きが60センチ程度で、使い勝手の良い収納がついていて「○」。

【図2】収納のポイントを記入(クリックで拡大)。右側は洋室(1)の収納の改善例

【図2】収納のポイントを記入(クリックで拡大)。右側は洋室(1)の収納の改善例

 洋室(1)収納改善例 

洋室(1)の収納の改善例をつくりました(【図2】右側)。効率の点だけでなく、北側の外壁面はただでさえ結露やカビが生えやすく、この位置の収納は特にお勧めできません。

改善例では奥行き60センチ程度のクローゼットを間口を広くして部屋の西側に取りつけました。洋服収納がしやすいだけでなく、その分部屋が広くなり、ちょっとした書斎コーナーができました。

戸建からマンションへの住み替え時は要注意

マンションからマンションへの住み替えならまだしも、戸建住宅からマンションへ住み替えをする時は、どうしても入りきらない荷物や家具がでてきてしまうものです。

また、和室がない間取りだと手持ちの客用布団の収納に困ってしまうことがあります。

収納問題をクリアすると満足度が高い 

「すっきり見せる」収納も、持ち物が整理されていないと難しい。

「すっきり見せる」収納も、持ち物が整理されていないと難しい。

最近の新築マンションでは、早めに申し出ると間取り変更に対応してくれる物件もあります。実際に、事前に検討した結果、収納スペースを増やしてもらったり、布団収納(奥行き90センチ程度)を新しくつけてもらってから入居した人もいます。

そんな方のお話を伺うと、収納力をアップしてから入居したことで、今のお住まいに対する満足度がとても高いことがわかりました。

マンションの間取り変更ではオプション代は発生しますが、住み始めてからのリフォームは大変なので、入居前に手を加えておくというのもひとつの手だと思います。

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