結婚のお金/どうする?夫婦の家計管理

結婚して扶養に入ったら、各種手続きはいつどこでやる?

結婚して、配偶者の扶養に入ったらに必要な各種手続きはいつどこでどのようにすべきかをまとめました。税金と社会保険(年金や健康保険)、2つの扶養の違いについてもご説明します。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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<目次>

結婚して入れる扶養は、税金と社会保険の2つ

結婚となると、婚姻届を提出したり引越しの手続きなどするべきことがたくさんあります。新婚生活がスムーズに始まるように、事前にやるべきことを考えておいた方がいいですね。専業主婦世帯などは扶養の手続きも必要になります。
結婚をしたら夫の給料でやりくりする夫婦も多い。そんな時は、扶養の手続きを忘れずに!

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「扶養」とは、自力で生活できない者の面倒をみ、養うこと。経済面において生活ができるようにすることです。扶養している配偶者がいれば、税金や社会保険制度において優遇されています。

この税金と社会保険の2つの扶養は違うものですので、よく注意をしてください。税金面は、所得税や住民税について。社会保険面は、年金と健康保険の制度についてです。それぞれの違いについてみておきましょう。
 

税金面の扶養は、パート給与103万円以下で配偶者控除が受けられる

税金面でいう扶養とは、所得税や住民税において、配偶者控除(配偶者特別控除)が受けられるということ。この控除があることによって、税金が安くなります。

配偶者控除には、配偶者の所得38万円以下、パートなどの給与所得者では年収103万円以下という所得制限があります。

この配偶者控除を受けることによって、納税者本人の課税対象所得を減らすことができます。所得税では38万円の控除が受けられます。

ただし、平成30年分以降は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が900万円超950万円以下で控除額は26万円に、950万円超1000万円以下で控除額は13万円に減額、1,000万円を超える場合は配偶者控除は受けられません。ご注意を。
 

控除額38万円は、年収103万円から150万円までに変更(H30年分以降)

この配偶者控除ですが、平成30年分以降は、配偶者の所得38万円(パート年収103万円)を超えても、配偶者の所得85万円(パート年収150万円)までは、同じ控除額38万円を受けることができます。こちらは、配偶者特別控除ですが、実質は配偶者控除と同じですね。

また、配偶者の所得85万円(パート年収150万円)を超えても、所得123万円(パート年収201万円)以下であれば控除額は減額されていますが、配偶者特別控除を受けることができます。

ただし、この配偶者特別控除は、納税者本人の所得が900万円以下の時に受けることができます。900万円を超え1000万円以下の場合は控除額が減額され、所得1000万円を超えると、配偶者特別控除は一切受けられなくなります。
 

税金面の控除手続きは年末調整で

税金面の配偶者控除の申請は、会社員であれば年末調整で行うことになります。年末調整で申請ができなかった場合や、自営業者などの場合は確定申告で手続きをしましょう。
 

社会保険(年金・健康保険)の扶養は効果大!

結婚後、社会保険の扶養手続き

社会保険の扶養に入ると、健康保険も年金と同じく保険料負担なしにサービスを受けることができる

次に社会保険の扶養を見ておきましょう。

年金制度には「第3号被保険者」という制度があります。これは、サラリーマンや公務員の配偶者で一定の所得以内の20歳以上60歳未満の人。年金保険料を直接負担する必要がありません。

健康保険でも被扶養者となると、保険料の負担なく健康保険のサービスを受けることができます。

この社会保険制度で扶養に入れる条件はどのようなものでしょうか? 税金とは全く考え方が違います。また、この扶養の手続きはどのようにしたらいいのでしょうか?
 

年金・健康保険の扶養、年収130万円未満が条件

社会保険(年金、健康保険)で扶養になれる条件は、年収130万円未満。この年収130万円未満というのは、これから継続的にこの基準の所得を超えるかどうかというのが判断のポイントです。

過去の収入は関係ありません。あくまでも、今後継続的に年収130万円相当の収入があるかということです。

失業保険の基本手当を受給している場合も、年収130万円相当の手当であれば扶養には入れないのが一般的です。

年金や健康保険の扶養の判断は、会社によって変わってきますのでご注意を。例えば、失業保険受給のための待機期間中は扶養に入れるか、自営業の所得の基準などは会社によって判断が変わります。これらは、事前に会社に問い合せておくと安心ですね。
 

2016年10月からは年収106万円でも厚生年金に加入

2016年10月から、パートなどの短時間労働者の厚生年金適用の基準が拡大されました。厚生年金に加入することになる基準は、年収106万円以上となります。厚生年金に加入するとなると健康保険も自身で加入することになるので、年金・健康保険の扶養に入れる基準は年収130万円未満から106万円未満となります。

この年収106万円の基準が適用されるには他にも条件があります。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上
  2. 2カ月を超える雇用の見込がある
  3. 従業員101人以上の企業であること
 (2024年10月からは従業員51人以上)

これら3つ全ての基準を満たす場合です(学生は除外)。全ての人が年収106万円を超えると扶養から外れるということはありませんが、しっかりと確認しておくことが必要ですね。

社会保険の扶養手続きは夫の勤務先で

扶養の手続き方法を確認しておきましょう。サラリーマンや公務員の夫とその妻というパターンなら、夫の勤務先に届ければ大丈夫です。

勤務先から配布された書類に記入をしましょう。税金面では「扶養控除の申告」、社会保険面では「被扶養者届」などですね。これらを必要書類と提出すれば、処理は完了です。
 

夫が自営業なら税金面の扶養のみ

社会保険の扶養というのは、サラリーマンや公務員のお話でした。自営業などの方は、社会保険が国民年金や国民健康保険ですから、扶養という概念はありません。家族分をあわせて保険料を納付することになります。

税金面の扶養は、職業に関係なくあります。確定申告をする時に、控除対象配偶者がいることを忘れずに記入をし、控除の計算をしておきましょう。

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