中学数学A問題
2010年全国学力テスト中学数学A問題
分数の加法。【正答率85.7%】
中3になっても7人に1人が簡単な分数の加減ができないという実態を表しています。平成15年度の教育課程実施状況調査では、小6の時点で正答率が86.3%あることを考えると、小学校でつまずいた内容が改善されないまま、中学校でもひきずっている子がかなりいることがわかります。
■大問3(2)
係数に分数を含む方程式。【正答率60.6%】
過去の調査と比べてみて、係数に分数を含む方程式になると極端に正答率が下がることがわかります。計算問題であるにもかかわらず、無解答率も15.5%と高い数字になっています。国立、私立の中学校の正答率がほぼ90%ですから、公立の中学校の平均が極端に低いことがわかります。計算問題を反復練習することで、克服すると良いでしょう。
■大問5(4)
円柱の体積を求める式と答え。【正答率43.2%】
国立、私立の中学校の正答率はほぼ80%で、公立の中学校は、正答率が39.9%と極端に低くまた、無解答率が17.7%と極端に高くなっています。円柱の体積を求める以前に、底面の円の面積を求められない子が多いようです。公式を使って答えを求める問題を、繰り返し解く必要がありそうです。
■大問9(3)
比例のグラフ(y=2x)から、xの変域(-1≦x≦2)に対応するyの変域を求める。【正答率47.8%】
無解答率が20.0%と高く、誤答の内容を分析してみると、グラフと変域の関係や大小関係を不等号を使って表現することが苦手な子が多いことがわかります。日頃から、グラフを図示したり、グラフから変域を求める問題を解いたりするなど、反復練習が必要です。
■大問11(1)
一次関数の式(y=2x-3)から変化の割合を求める。【正答率53.5%】
平成20年度の調査でも同様の問題が出題されていますが、正答率は54.2%と、約半数近い生徒が一次関数の変化の割合(傾き)が理解できていないことがわかります。公立の中学校では、無解答率は26.6%と極端に高く、4人に1人が変化の割合という用語すらわからないという実態が読みとれます。まず変化の割合(傾き)という用語の理解、そしてそれを式に表す練習が必要です。
中学数学B問題
■大問1(2)連立方程式で表し、解を求める。【正答率41.6%】
問題文から必要な情報を選択し、連立方程式にする力が不足していることがわかります。無解答率も21.1%と高くなっています。まずは方程式や関係を表す式を立てる練習をすると良いでしょう。