メキシコは危険な国なのか?

メキシコで最も治安が悪いと噂されるメキシコシティだけど、いつも危ないわけではない

メキシコで最も治安が悪いと噂されるメキシコシティだけど、いつも危ないわけではない

豊かな自然と文化があるメキシコは魅力的な国ですが、危険なイメージがついてまわるようです。ガイドブックやインターネットの情報をみても、世界有数の治安の悪さを囁かれる一方で、ラテンアメリカのなかでは治安が良いほうだという意見もあり、いまいちピンときません。

まず、心おきなく旅を楽しんでもらうために、「メキシコは日本に比べたら治安は悪いが、観光客にとっては、命を狙われたり、誘拐されるような深刻な事態になる可能性は低い」ということを伝えておきましょう。

この記事とあわせて、メキシコの防犯対策についての記事も、ぜひ読んでください。

メキシコの治安 インデックス  

観光はメキシコの重要な産業

メキシコシティ、アラメダ公園を警備する警察官たちはチャロ(牧童)スタイル

メキシコシティ、アラメダ公園を警備する警察官たちはチャロ(牧童)スタイル

メキシコ外務省発表によれば、2017年度のメキシコへの海外旅行者数は、およそ3930万であり、年々増加傾向にあります。日本からの渡航者も増加傾向にあり、2017年では、約15万人がメキシコを訪れています。観光収入が国の重要な資金源となっていることから、観光客向けには政府が積極的に治安問題の改善に取り組んでいるのを感じます。

観光地市街の舗装をし、街灯を増やすなどして、明るいイメージに変えたり、イベント時には警備のための警察官を多く配置したり、路上や地下鉄構内に防犯カメラを設置しています。

実は、この防犯カメラ、警察官への監視も兼ねています。以前は警察官による賄賂の請求が多発していましたが、内部の取り締まりを強化したせいで、かなり減ったとされています。

メキシコシティの例になりますが、公共の乗り物でも、警備を強化中。地下鉄内には常に警官が常駐するようになり、ラッシュ時には女性専用車両もあります。メトロバスという電車とバスの中間のような乗り物や、市が管理するきれいなバスが走るようになり、安全性が高く、町に慣れていない人でもわかりやすいと評判です。観光客にとって気軽に移動しやすい環境が整いつつあるのです。
 

メキシコの麻薬組織抗争の激化、女性殺人事件の増加

観光発展のためメキシコ政府が治安の改善に努めているとはいえ、インターネットやテレビのニュースではメキシコでの犯罪事件ばかりが報告されるので、恐怖心を煽られる人もいるようです。

殺人、誘拐件数は世界トップクラスのメキシコ。アフガニスタン、グアテアラに続いて危険な国だといわれています。2006年にメキシコ政府が打ち出した、麻薬組織撤廃政策により治安当局と対抗する組織の報復や麻薬組織同士の抗争が激化した結果です。10年以上たった今も、残念ながら、殺人事件数は増加傾向にあり、2017年では2万9000件以上起こっています。さらに、女性の暴行殺人事件が増加傾向にあり、1日平均5人の女性が殺されていますが、政府や警察も対応しきれていないのが現状です。銃撃戦も、昼夜かかわらずどこでも起こるような可能性があります。旅行者に関しては、被害が及ぶことが少ないとはいえ、じゅうぶんな警戒が必要です。

最近では組織の上層部だけでなく、麻薬を路上で売るような売人が市街地で殺される事件が増えています。メキシコが日本よりも麻薬所持に関しては規制が緩いからといって、購入するために売人に接触すれば、仲間だと思われ、対立組織に狙われる可能性もあります。また、売春もメキシコには多いのですが、背後には麻薬組織が絡んでいます。自分の身を守るのは、とにかく裏世界の人物と接触しないようにすることです。
 

本当に狙われているのは観光客ではない

犯罪大国として知られるメキシコですが、誘拐被害者のほとんどが富裕層のお金持ち。メキシコは世界トップクラスの階級社会ゆえ、貧富の差が激しく、それゆえに犯罪が絶えません……。メキシコでは富裕層と貧困層が住むエリアが、はっきりと分かれているので、貧困層居住エリアに立ち入らないのが懸命ですが、いわゆる富裕層居住エリアであっても安全なわけではありません。

最近の犯罪傾向をみると、富裕層居住エリアで強盗や窃盗が増加しているようです。とくに密告系犯罪が多く、「あの場所に金持ちが住んでいる」「あの会社は外資系で金がある」というような情報を元に、犯罪者は強盗や誘拐を企てるのです。

これは、旅行者よりも在住者のほうに危険が伴うということを表しています。一時的に滞在するだけの旅行者よりも、確実にお金を持っている人間を狙った方が犯罪者にとっても都合がいいからです。しかし、外国人であることで、犯罪者から目をつけられる可能性が高いことを肝に銘じましょう。
 

メキシコでの日本人の犯罪被害について

具体的にメキシコでの日本人の強盗被害は、どれくらい報告されているのか。在メキシコ日本大使館発表によれば、
  • 2014年 10件
  • 2015年 16件
  • 2016年 20件
  • 2017年   37件(うち凶器使用28件)
と、年々増加傾向にあります。2017年にメキシコ国内で発生した,邦人を被害とする強盗事件数37件のうち、日中の発生11件、日没後の発生16件で、その多くは路上、駐車場、レストランなどで起こっており、昼夜関係なく被害が起こっています。メキシコシティのような都市部でも被害が報告されていますが、最近の傾向では、日系をふくむ、外資系企業が進出するグアナファト州での犯罪増加が著しいです。
 

近年の犯罪傾向 犯罪が起こりやすい時間帯や時期など

旅に備えて、情報収集をしておきましょう

旅に備えて、情報収集をしておきましょう

旅行者が気をつけなければいけない犯罪は、スリ、ひったくり、置き引きなどですが、荷物を手放さないようにしっかりと身につけていれば、被害は防げます。

在メキシコ日本大使館によれば、最近の犯罪手口として、突然背後から首を絞め、気を失っている間に所持品を強奪される(首締め強盗)、歩行中、腕や顔に水やツバをかけられ、気をとられている隙に所持品を窃取する、地下鉄やバスに乗車する際、後ろから被害者を押し、バランスを崩した際、またはバランスを取るために手をついている隙にポケット等から所持品を窃取されるといった例が報告されています。

また長距離バスやタクシー強盗は頻繁に起こっているので、注意をはらいたもの。長時間バスに乗る場合は、目的地まで途中停車しないセキュリティがしっかりした特等または一等バスを選び、タクシーは流しを利用するのではなく、シティオという無線タクシーを電話で呼び出すか、高級ホテルやシティオ専用停留所に停まっているタクシーを利用しましょう。UBERやCabify, DIDIなどのタクシーアプリが、安全という触れ込みで、人気がありますが、ほとんどの運転手が、土地勘がなく、カーナビを使用して運転するため、強盗が頻繁に起こる危ない道を通過して、思わぬ被害にあうこともあります。そのため、ガイドはタクシーアプリをおすすめしません。

もしも強盗に遭い、ナイフや拳銃で脅されたとしても、抵抗しないで現金やカメラ、携帯などの貴重品を渡せば、まず殺される事はありません。

最近は20代未満の若年層のグループ犯罪が増加しているようなので、道で何もせずにたむろして、通行人を伺っているような少年たちには、少々気をつけた方がいいでしょう。もちろん、すべての少年が犯罪者なわけではありませんが……。

ちなみに犯罪の起こりやすいのは夜22時以降から朝7時くらいまでの、人通りがなくなる時間帯とされています。犯罪は昼でも起こっているので一概には言えませんが、地元の多くの人々が外出を控える時間帯なので目安にしてください。また、統計的に例年、年末のクリスマスシーズン周辺になると、窃盗、強盗犯罪が増える傾向にあるので、その時期は特に注意が必要です。

治安状況は常に変化するので、渡航前には在メキシコ日本大使館の最新安全情報の確認をおすすめします。

参考サイト:  

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。