タイ/タイ基本情報

タイの治安 (2ページ目)

穏やかで親切な国民性で治安は概ね良くタイ。それでも観光大国ゆえ、観光客をターゲットにした置き引きや、詐欺などの軽犯罪は報告されているのも事実。このような軽犯罪やトラブルにはすべてパターンがあるので、事前に知っておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。今回は観光客が陥りがちなトラブル例をご紹介します。

執筆者:清水 千佳

スキミング

ここ数年タイで急増しているのが、他人のクレジットカードやキャッシュカードの磁気記録情報を不正に読み出してコピーを作成し、使用する犯罪行為スキミング。タイでスキミングされた数日後、香港やオーストラリア、インドネシアなどタイ以外の国で偽造カードで不正使用されているそう。

被害にあった店の店員すら、自分の店で使われたカードがどのようにスキミングされているのか分からないのがほとんど。スキミング用の機械が取り付けられているとか、カード会社と交信している際、何らかの方法でカード情報が盗まれる……などと聞きますが、どれも定かではありません。

事前に防ぐのが難しいのが現状ですので、対策としてはタイから帰国したらカードの利用明細を丹念に調べること、身に憶えのない項目があったらすぐにカード会社に連絡をすることがあげられます。

宝石、トランプ詐欺

20年以上前からよくある古典的な詐欺が「宝石詐欺」と「トランプ詐欺」。

■宝石詐欺

有名な観光スポットで「タイは宝石が安い。タイ人価格で買える店があるから連れて行ってあげる」と話しかけられ宝石店に連れて行かれます。その後、グルの宝石店員が「この宝石を日本で売れば5倍の値段で売れます。日本に持って帰って、●●の店に持って行けば必ず換金できますよ」と儲け話を持ちかけてくるのがパターン。この言葉を信じ何十万円もする宝石を購入しても、聞いていた宝石店は実際には無かった……、また持ちこんでみたものの、買わされた宝石は偽物で換金する価値のないものだった……というのがオチ。タイには日本のクーリングオフのような消費者保護制度がないため、購入後のキャンセル交渉は無理です。

■トランプ詐欺
こちらは、決まって「近々、妹が日本に留学する予定。日本のことを知らない母親がとても心配しているので、母に直接日本のことを話してほしい。妹にも、あなたのようなしっかりした日本人を紹介しておきたい」と、こちらの親切心をくすぐることを言って近寄ってきます。そのまま、タクシーに乗せられ家に行くと誰もいないというパターン。

「今、2人とも買い物に行っています。これから友達も遊びに来るので、待つついでにトランプゲームでもしましょう」と始まります。その友達(もちろん友達ではなく同じ詐欺仲間)が来る前に「絶対にあなたが勝てるようにしますから、2人で一緒に金を賭けて儲けよう」と誘われるはず。実際に、友達が来てゲームがスタートすると最初は勝ち続けるのですが、ちゃんと最後には負けてしまう仕組みになっているのです。最終的には手持ちの現金だけでなく、言葉巧みにゲームを続けさせ、カードでキャッシングをして支払いをさせられるということに……。

昔からある詐欺なので、まさか旅慣れている旅行者が騙されるわけがないと思っていましたが、留学経験もあり、英語も堪能な友人がその巧みさにつられてトランプ詐欺で30万円以上、巻き上げられてしまいました。

「兄弟が日本に留学している(またはこれから留学する)」と言って、親日家の態度を装ってくる人には要注意。「少しくらいならきっと大丈夫」という考えは一切持たないことと、 曖昧な態度は取らないことも大切です。
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