中等科のときは、みんなが嫌がるウサギやにわとりの糞掃除などを朝早くから学校に出てきてされたり、ヘビを1匹ずつ手に持って、週に一度は校庭の草むらで日光浴をさせていらっしゃったそうです。
今でも雅子さまは動物がたいへんお好きで、御所の窓の外で弱っていたクワガタを保護し、飼育され、幼虫も飼育されました。
雅子さまは、
「子供の頃に親しんだ昆虫に触れることにより、小さな命ひとつひとつがたいへんいとおしく思えてくるものでございまして、そのようなことから、現代の子どもたちにもそういう体験をするというのは、とても大切なことなのではないかしらという風に感じております。」と、おっしゃっています。
中等科時代の雅子さまは、すべての生き物に対してわけ隔てなく愛情を注がれる心優しい面と、実に活発で運動好きという両面を持った少女でした。雅子さまがソフトボール部をつくられたというお話は有名ですが、強い肩でサードを守り、長打がお得意の4番バッターでした。
田雙(でんふた)ナインはユニフォームもなく、体育の紺のジャージを着ただけのチームでしたが、雅子さまが3年生の区大会では、雨の中泥んこになっての逆転サヨナラ優勝を成し遂げられました。
動物好きで優しい心と強い自主独立の精神をお持ちになり、おおらかな雅子さま。
こんな雅子さまが受けられた田園調布雙葉学園の教育方針とはどういったものだったのでしょうか。
「徳においては純真に、義務においては堅実に」これが校訓であり、雅子さまの座右の銘でもあります。だれに対しても、うそのない真っすぐな心を持ち、やるべきことを努力と責任を持ってやり遂げる人になるように、という意味です。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」これが雅子さまのもうひとつの座右の銘です。謙虚さが無ければ本当の賢さはないということをこの学園で学んだと恩師に語られています。
ある卒業生は、「与えられた状況のもとで、精一杯努力すること。一人一人が神から授かった能力を最大限に発揮することを教えられました。」と、話しています。
また、別の卒業生は、「「『地の塩』(塩が腐敗を防ぐ優れた特性を持つことから社会の腐敗を防ぎ向上させる者という意味)になれ。つまり、目立たないけれども大事なしっかりとした存在になれ。と、繰り返し教えられました。」と、話しています。
こうした田園調布雙葉学園の教えが今も雅子さまの中にしっかりと息づいているのかもしれないですね。