家庭での読み聞かせは同一視が基本
お子さんに絵本を読んであげるとき、幼稚園などで先生が絵本を読むように(紙芝居のような対峙の仕方で)お子さんと対面で本を読むお母さんがいらっしゃるようです。お子さんの反応がよくわかるとか保育園で慣れているという理由でこの方法を採られるようですが、私はあまりおすすめできません。絵本を読むときは、「お膝においで」と声をかけ、同一視(お子さんと同じ向き)で読んであげましょう。
お子さんの顔は見えませんが、お膝ならお子さんの反応は手にとるようにわかります。耳元で聞くお母さんの声や息遣いは、なによりお子さんに安心感を与えます。スキンシップを大切に、感動を共有するという意味からも、ぜひお子さんをお膝にのせて、絵本を読んであげてください。
読み聞かせの後は質問魔・説明魔にならないで
時には公園でピクニック気分の読み聞かせも楽しい
絵本を読み終わったとたんに、「どんなお話だった?」、「面白かった?」、「あんな意地悪しちゃいけないよね」などと、感想を求めたり、説明や教訓的なコメントを加えたりするお母さんはいます。何かひとこと言いたい気持ちはとてもよくわかりますが、ここは我慢のしどころです。
もちろん、観察絵本と呼ばれる種類の絵本や、図鑑を見るときには、質問したり説明を加えたりしながら絵本を見ることも必要です。しかし絵本は、知識を増やすための道具や言語活動を引き出すための材料ではありません。
お子さんは、今の今まで想像の翼を広げ、絵本の世界で思う存分遊んでいました。ですから、お母さんも読後はその余韻を共に楽しみましょう。それが、お子さんの「また読んでね!」に繋がります。不用意な質問攻めや説明攻めは、お子さんを本嫌いにしてしまう恐れがあることを覚えておきましょう。