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古民家で子育て支援

子育て支援の形は数多くありますが、4月から世田谷区で始まったのは築160年の古民家での子育て支援。東京にいることを忘れそうな緑の中の古民家では、ママも赤ちゃんもゆったりとした時間を過ごしていました。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

築160年の古民家。初めてなのに、田舎のおばあちゃんの家に来たかのような懐かしさを感じます

築160年の古民家。初めてなのに、田舎のおばあちゃんの家に来たかのような懐かしさを感じます
 

子育て支援の新しい風

子育て支援のあり方が問われています。核家族化が進み、乳幼児を育てるお母さんの孤立や、仕事を求める女性が増えているのに保育施設が追いつかないといった課題が、深刻なニュースとして伝わっています。そういった現状に、地域でゆるやかにつながり、見守ることで、新しい風を送ろうと様々な動きも出てきました。

そんな動きのいくつかをシリーズ“子育てをシェアする”として紹介していきます。第1回は世田谷区の“古民家ママス”を訪ねました。

古民家で子育て支援

親戚の家に来たかのような古民家での子育て支援。こんな環境なら、訪れる人も、自然に心が和みますよね

親戚の家に来たかのような古民家での子育て支援。こんな環境なら、訪れる人も、自然に心が和みますよね

梅雨の合間のはっきりしない天気の中、ガイドがおじゃましたのは、世田谷区の閑静な住宅地にある古い一軒家。緑の庭から、縁側ごしに10畳が二間続く部屋とその奥に8畳間がのぞけます。

築160年、江戸時代から続く古民家です。個人のお宅ですが、現在 “古民家ママス”として、赤ちゃんや幼児とその親たちの居場所として開放されています。

この古民家は、2010年3月まで「松陰コモンズ」として、昭和に建て増しした住居部分を共同生活の場に転用し、古くからの座敷と縁側は半公共的・貸しホール的に用いられていました。古民家の新しい住まい方や地域に開かれた活用法として注目されたプロジェクトでした。

その松陰コモンズが役割を終えたとき、7代目のオーナーであり古民家ママス代表の鈴木誠夫(のぶお)さんは、「ここを子育て支援の場にして、古民家のぬくもりを次の世代に渡していきたい」という思いの実現に踏み出しました。

「子育てサロンや子育て支援活動に携わってきた、子育て経験のある女性達が常駐して、ここを訪れる親子を見守る」というスタイルで、この4月から、週のうち4日間(月・火・木・金曜日)を開放するプレオープンの運びとなったのです。

古い日本家屋と庭の緑に囲まれていると、時間がゆっくりと過ぎ、都内にいることを忘れそうです。この心地よさが知られるようになり、利用者は少しずつ増え、1日平均10組~15組の母子がバギーや自転車で訪れるといいます。
 

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