ねんきん定期便を活用すると、面倒な年金の計算が電卓でも可能に!

ねんきん定期便を活用すると、面倒な年金の計算が電卓でも可能に!

2009年度からねんきん定期便の送付が始まり、自分の年金に関する情報が毎年誕生月に届くようになりました。年金をより身近に感じ始めた人もいるのではないでしょうか?ねんきん定期便は、これまでの年金制度の加入歴だけでなく、参考として将来の年金の見込額を試算するシートが同封されています。この試算シートを利用すると、将来の年金が計算できますが、年金の計算式は少し複雑です。同封されているパンフレットに記入例もありますが、「よくわからない…」とあきらめてしまう人もいるかもしれません。そこで今回は将来の年金額を試算する仕組みをねんきん定期便の情報や事例を使って解説していきます。

<INDEX>
年金額の計算方法(1)~老齢基礎年金
年金額の計算方法(2)~老齢厚生年金
事例で検証~年金額の計算(1)
事例で検証~年金額の計算(2)

年金額の計算方法(1)~老齢基礎年金

現役時代に加入した年金制度によって、将来受給できる老齢年金の種類が決まりますが、国民年金から支給される老齢基礎年金はすべての制度に共通する年金です(年金制度への加入歴と受給できる年金の種類の詳細は「年金の種類と受け取り方、人によってどう違うの?」をご覧ください)。受給資格期間を満たしていれば、原則65歳から受給することができます。

老齢基礎年金の年金額は年金制度の加入期間の長さによって異なります。満額の老齢基礎年金(792,100円、平成22年度額)を受給するには、公的年金に40年間加入し、保険料を納付しなければなりません。保険料の未納期間があると、その期間の長さによって受給額が減額されます。

なお、第1号被保険者として保険料の免除制度を利用し、その後保険料を追納しなかった場合は、利用した免除制度及び免除を受けた時期により、一定の割合で年金額の計算に反映させます。保険料を納付した期間(保険料納付済期間)と保険料の免除を受けた期間(保険料免除期間)から、老齢基礎年金を計算するには以下の計算式にそれぞれの期間(月数)を当てはめて受給額を計算します。
 

 

上記の計算式から求めた金額は100円未満を四捨五入して、実際の老齢年金の受給額になります。

年金額の計算方法(2)~老齢厚生年金

厚生年金の加入期間が1ヵ月以上あれば、65歳から老齢基礎年金だけでなく、老齢厚生年金を受給することができます。また、厚生年金の加入期間が1年以上あれば、生年月日と性別により、60~64歳まで特別支給の老齢厚生年金を受給することができます(特別支給の老齢厚生年金の支給内容の詳細は「老後資金の準備を考える前に~年金の基礎を押さえよう」をご覧ください)。

老齢厚生年金は、厚生年金の加入期間の長さだけでなく、保険料の計算の基礎となった標準報酬(月)額も年金額に反映します。年金制度に加入したすべての期間の標準報酬(月)額を平均し、その平均額と加入期間から老齢厚生年金は計算します。ただし、年金の加入期間は原則20歳から60歳までの40年間と長期間にわたるため、年金制度に加入したころと年金を受給する時点での給与水準が異なります。この給与水準の違いを修正するために、平均額を計算する際に標準報酬(月)額の「再評価」を行います。過去の標準報酬(月)額に「再評価率」を乗じて現在価値に修正し、平均額を計算します。

なお、50歳未満の人のねんきん定期便に同封されている年金見込額の試算シートにはこれまでの加入実績に応じた年金額が印刷されていますが、老齢厚生年金の加入実績に応じた見込額は再評価後の標準報酬(月)額が使用されています。
(日本年金機構HPより)

(日本年金機構HPより)

また、厚生年金の保険料は平成15年4月から毎月の給与だけでなく賞与からも徴収されています。このため、平成15年4月以降は給与と賞与の両方が年金額に反映しますが、平成15年3月以前は給与のみが年金額に反映します。年金額を計算するときは平成15年4月以降と平成15年3月以前の加入期間に分けて計算した額を最後に合算します。
 

 

このように、老齢厚生年金は老齢基礎年金に比べると、年金額の計算が複雑です。ねんきん定期便にはこれまでの加入実績に応じた年金額(黄色の枠内)と今後の加入見込みに応じた年金額(赤色の枠内)が同封されています。
(日本年金機構HPより)

(日本年金機構HPより)

赤枠内の今後の加入見込みに応じた年金額は、上記の見本のように退職時までの平均収入を自分で再記入し見込額を再計算して、黄枠内の加入実績に応じた年金額と合算するという手順で計算すると、比較的簡単に計算できるでしょう。

なお、老齢厚生年金は、厚生年金の加入期間が20年以上あり、扶養する65歳未満の配偶者がいると、加給年金額が加算されます。加給年金額は定額で、396,000円(平成22年度額)になります。