公的年金の基礎知識を再確認してみましょう

公的年金の基礎知識を再確認してみましょう

老後資金を準備しようと考えるとき、「個人年金に加入しよう」「預貯金はどのくらい必要?」と自分なりの準備方法、つまり、自助努力から考え始める人が多いかもしれません。しかし、現在の高齢者の生活を支えているのはおもに公的年金から支給される老齢年金です。自助努力は必要ですが、まずは公的年金を把握しておくことが欠かせません。そこで今回は、あらためて公的年金入門として老齢年金をはじめとする公的年金制度のしくみを基礎からご案内します。

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日本の公的年金制度の特徴

はじめに、日本の公的年金制度の3つの特徴を順番にみていきましょう。

1.国民皆年金
日本の公的年金制度は、原則20歳以上の人全員を加入対象としています。これを「国民皆年金」といいます。日本国内に住む人は、20歳になると国籍に関らず原則として国民年金に加入しなければなりません。国民年金に加入するときは、おもにその人の職業で加入する制度が決まっていて、その区別を「国民年金の種別」といいます。国民年金の種別は3種類あり、次のような制度になっています。

●第1号被保険者
学生や自営業者、フリーランスなど第2号被保険者・第3号被保険者に該当しない人はすべて第1号被保険者として国民年金に加入します。第1号被保険者は、20歳から60歳まで加入義務がありますが、日本国内に住所があることが加入要件になるので、国外にいる人は加入対象から外れます。

第1号被保険者は毎月15,100円(平成22年度額)の保険料を納付しなければなりませんが、収入により保険料の一部または全額が免除され、学生等は納付が猶予される場合があります。

●第2号被保険者
会社員や公務員など厚生年金や共済年金に加入している人は、同時に第2号被保険者として国民年金にも加入しています。厚生年金については正社員として働く人が加入しなければなりませんが、パートやアルバイトでも1ヵ月の労働日数及び1週間の労働時間が正社員の4分の3以上になると、厚生年金に加入しなければなりません。また、厚生年金は20歳未満あるいは60歳以上(70歳になるまで)でも加入しなければならず、国内外どちらに住んでいても加入対象となります。

第2号被保険者は、国民年金の保険料を納付する必要はありませんが、厚生年金の保険料を負担しなければなりません。厚生年金の保険料は毎月の給与及び賞与から天引きされていますが、実際は天引きされる保険料と同額の保険料を会社も負担してその合計額を保険料として納付しています。厚生年金の保険料は、原則として4~6月に支給された給与の平均額から決定する標準報酬月額及び賞与の支給額の1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に保険料率(2010年8月までは15.704%)を掛けて計算し、被保険者と会社で折半負担します。

●第3号被保険者
専業主婦など第2号被保険者の被扶養配偶者は第3号被保険者として国民年金に加入します。第3号被保険者は20歳~60歳までを対象とし、国内外のどちらに住んでいても被保険者となります。ただし、扶養されているかどうかの判定に年収要件があります。原則年収130万円までは扶養の範囲に入ります。第3号被保険者は、保険料の負担がありません。

被保険者の種別と加入する年金制度は以下のように表すことができます。
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2.世代間扶養
公的年金の財源は被保険者が負担する保険料と国庫負担ですが、被保険者の負担する保険料は自分自身が受給する年金の財源になるわけではありません。現役世代の被保険者が負担している保険料は、現在年金を受給している高齢者世代の年金の財源に充てられています。このしくみを「世代間扶養」といいます。社会全体で高齢者の年金を支える世代間扶養は、子が自分の親の生活を支える私的扶養に変わる役割を担っているといえます。
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3.社会保険方式
公的年金は、その財源の多くを、被保険者が納付する保険料で賄う社会保険方式です。この方式によって日本では、年金制度の保険料負担と給付が明確になっており、世代間扶養のしくみを支えています。

日本の公的年金制度は以上のような3つの特徴を持っています。