マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

マンションの間取り研究(3) 風通しのよい間取り(2ページ目)

外廊下型マンションの中住戸で典型的な田の字プランは風通しが得にくい面がありますが、ちょっとした工夫があれば改善できます。間取りを元に検証してみましょう(2014年5月改訂、2010年7月公開)。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド


風通しが期待できる間取り:
外廊下型マンションの妻側住戸 

それでは次に、前ページと同じく外廊下型マンションではあるものの「通風が期待できる」間取り例を挙げます(【図4】参照)。約70m2、3LDKのファミリータイプ。

【図4】外廊下型マンションの妻側住戸。風通しを確保できる間取りの例

【図4】外廊下型マンションの妻側住戸。風通しを確保できる間取りの例


こちらは中住戸ではなく「妻住戸」の間取りです(マンションの妻側住戸についてはこちら)。妻側住戸は、基本的に3方が外気に面し、窓を多く取れるという好条件がそろっており、上の図では、南、西、北側の3方が外気に面しています。

この間取りでは、南側のLDの窓のちょうど反対側に、洋室1の窓があります。廊下の室内ドアを開けておけば、南から北へ風が住戸内を流れていきます。洋室2・洋室3の部屋も、窓が一箇所しかありませんが、廊下に面するドアを開けることで、家の中の空気が流れます。

 

妻側にある好条件を活かす間取り

妻側住戸でも、間取りによっては2方にしか窓を設けていなかったり、窓の位置がうまく対面にとれず、風通しが期待できないものもあります。ですから、妻住戸ならなんでもOKではなく「どんな間取りになっているか」が大切です。

 

開かずの窓に要注意。その窓は開きますか?

今回はマンションの中でも最もポピュラーな「外廊下型マンション」の中住戸と妻側住戸の間取りで「風通し」を検証してみました。

風の入り口と出口があり、それが対面にあると風が流れやすい間取りとなりますが、窓の位置を確認するだけではなく、その窓が開けられるかどうかも忘れずにチェックしましょう。

例えば、窓のすぐ外側を人が歩く(外廊下マンションの外廊下側の窓)、車の音がうるさい(幹線道路や駅近物件)、風が強すぎる(高層マンションの上階、海辺)というケースも多々あります。

日照や通風は私たち日本人にとって、日常生活の快適性を左右するとても重要なポイントです。購入後に「しまった!」ということがないよう、購入前にぜひもう一度チェックしてみてくださいね。

【関連記事】
マンションの間取りの基本:外廊下型マンション
マンションの間取りの基本:妻側住戸
マンションの間取りの基本:田の字プラン
風を通して他人を通さず。間取りと防犯対策

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