通貨選択型ファンドは、リスクも2階建てでかかる

仕組みが複雑でリスクの内容がわかりにくいのが通貨選択型の難点

仕組みが複雑でリスクの内容がわかりにくいのが通貨選択型の難点

投資対象資産と高金利通貨、両方からの収益を得られる仕組みの通貨選択型ファンド。とてもお得に思えますが、リターンとリスクはコインの裏表。裏目に出たときのリスクもまた、2階建てです。

まず1階部分は、投資対象資産のリスク。ファンドが投資対象としているハイ・イールド債券や新興国債券、資源株、金や原油などは相対的にリスクの高い資産です。経済状況の変化によっては大きく値下がりする可能性があります。

次に2階部分のリスク。選択した高金利通貨の金利が引き下げられたり、投資対象通貨の金利が引き上げられたりすることで金利差が縮まれば、ヘッジプレミアムは小さくなってしまいます。さらに金利差が逆転してマイナスになった場合は、金利差相当をコストとして負担することになります(これを「ヘッジコスト」と呼びます)。

選択通貨が売られて、為替差損を被る可能性もあります。特に高金利通貨は値動きが激しい傾向があるので、為替動向には常に注意を払わなくてはなりません。

通貨選択型ファンドへの投資は、複雑な仕組みに隠れているこのようなリスクをしっかり理解した上で行うことが重要です。

スイッチング機能を上手く活用すべし

資源国通貨、アジア通貨、中南米通貨、あるいは避難通貨……これから強くなるのはどんな通貨?

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たいていの通貨選択型ファンドでは、いつでも他の通貨コースにスイッチング(乗り替え)できるようになっています。つまり、選んだ通貨の魅力が薄れてきたら、売却してもっと期待が持てる他の通貨コースに切り替えることができるわけです。

資金を一時的に待機させるための「マネープールファンド」が用意されているものもあります。マネープールファンドは、円建ての短期有価証券で運用する安全性の高い商品。「いったん収益を確保したい」「安全資産に避難させて様子を見たい」というときはマネープールファンドに資産を移すことができます。

「投資対象は値上がりしそうだけど、為替の動きが心配」という時は、円ヘッジコースにスイッチングしておくという手も。ただし円でヘッジする場合、投資対象通貨との金利差がマイナスになれば、前述のとおり、ヘッジプレミアムではなく「ヘッジコスト」がかかることになります。

また、スイッチングにはコストがかかるファンドもあるので、むやみにスイッチングを繰り返してコストがかさんでしまわないよう気をつけましょう。スイッチングのタイミングを見極めるのも難しいところ。通貨選択型ファンドは、一般的でシンプルな投資信託よりもずっと多くの判断が求められる商品だと理解しておいてください。

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