左から時計回りに米酢、ワインビネガー、バルサミコ酢、レモン
調味料の「さしすせそ」、三番目の「す」は酢。
健康ブームもあって、料理にもっと酢をとりいれようと心がけている方も多いようです。ただ酢を使いこなし、酢を使いきるのは意外と難しいとの声もききます。酢は調味料の中でも一番味の違いが出る調味料です。もし手持ちの酢が酸味が強い、角があると感じたら、加熱をしたり、レモン果汁を加えるなどして、まろやかにしてみましょう。酢は主に、米酢を代表する穀物酢と、りんご酢やバルサミコ酢といった果実酢に分類されます。
穀物酢
■米酢米を主な原料として作られる酢です。まろやかなコクと旨味は和食をベースとした家庭料理に向きます。
■穀物酢
米以外の小麦やコーンなどを主な原料として作られる酢です。すっきりとした酸味はどんな料理にも使えます。
■黒酢
玄米を主な原料として作られる、黒い酢です。旨味と香りは中華料理に向きます。はちみつと合わせて、水で割ったビネガードリンクとしても味わえます。
果実酢
■りんご酢りんご果汁を原料として作られる酢です。フルーティな味わいはサラダやマリネ、ピクルスなどの洋風料理や水や果汁で割ったビネガードリンクとしても楽しめます。
■ぶどう酢
ぶどう果汁を原料として作られる酢、ワインビネガーともいわれます。さっぱりとした酸味はサラダやマリネ、ピクルスなどの洋風料理に向きます。なお、ぶどうの濃縮果汁を使い、長期熟成させたものが、イタリアのバルサミコ酢。茶褐色で強い風味があり、ソースやサラダのドレッシング、デザートまでイタリア料理にはかかせません。
その他、合わせ酢
■すし酢みりんなどを加え、酢飯用に作られた合わせ酢です。
■梅酢
梅干しを漬けた際にできる合わせ酢です。なお、赤い色は赤紫蘇の色素が出たものです。
■ポン酢
柑橘果汁と醤油、みりんなどを加えた合わせ酢です。鍋のつけ汁のほか、醤油、ドレッシングの代用にもなります。
酢の効果・作用
酢には酢飯や酢じめ、酢漬けなど、食材を傷みにくくする抗菌防腐効果があります。お弁当のごはんも、少量の酢を加えて炊飯すれば安心です。そして、ポーチドエッグを作る際、湯に酢を加えて、卵をきれいにまとめるタンパク質凝固効果もあります。煮込み料理に酢を加えれば、肉を柔らかくし、さっぱりとした味わいに仕上がります。おなじみ、ごぼうを酢水につけるのは、ポリフェノール酵素の作用を抑えて、変色を防ぐためです。疲れた時に酸っぱいものを食べると、酢の主成分である酢酸が体内でクエン酸に変わり、乳酸の分解を助けます。胃液の分泌も促し、消化吸収をよくします。また、酸味が味覚、脳の摂食中枢を刺激し、食欲増進にもつながります。塩に酢を加えると塩の使用量を減らせ、酸味の刺激も抑制し、味に丸みを与えます。
合わせ酢簡単レシピ・配合比率
・二杯酢醤油1:酢1
・三杯酢
醤油2:酢2:出汁2:はちみつ1
・すし酢
酢3:はちみつ1
・甘酢
酢2:はちみつ1
・甘酢だれ
醤油1:酢1:出汁1:はちみつ1