上から時計回りに氷砂糖、黒糖、グラニュー糖、きび糖
コーヒーや紅茶、お菓子作りにはすっきりとした甘さで、素材の味を邪魔しない「グラニュー糖」。煮物にはコクのある「三温糖」「きび糖」「黒糖」。果実酒作りにかかせない「氷砂糖」。そして、和菓子を品良い味にする「和三盆」……といった具合に、日常での使い分けがもっとも多岐に渡るのが砂糖です。
砂糖には、サトウキビから作られるかんしょ糖と、てんさい、砂糖大根から作られるビート糖があります。各砂糖の特徴を知って、用途に合わせたものを選び、使ってみましょう。
かんしょ糖(サトウキビ原料の砂糖)
■上白糖日本で最も使われている砂糖です(ちなみに外国ではグラニュー糖が主)。クセもなく、料理も選びませんが、料理や調味料にこだわりたい方は用途に合わせてそろえることをおすすめします。なお、グラニュー糖より甘みを感じるため、お菓子作りでグラニュー糖の代用とする場合は少し控え目にするといいでしょう。
■三温糖
上白糖の精製工程を続けたものが、三温糖。三温糖の特徴でもある茶褐色な色合いやコクは、工程から生じる加熱によるものです。上白糖より甘みが強く感じられ、コクもあるので煮物などに向いています。ただし、ミネラル分の補給も考えるなら、最小限の精製の「洗双糖(マクロビレシピで使われることが多い)」や「きび糖」を使用するのがベターです。
■きび糖
精製途中の砂糖液より作られるため、ミネラルとコクを含んだ薄茶色の砂糖です。料理の色を気にしなければ、上白糖のようにどんな料理にも使え、万能です。
■グラニュー糖
海外で砂糖といえば、グラニュー糖をさします。粒子が細かくすっきりとした甘味で、精製の純度も高いためお菓子作りに向いています。にんじんのグラッセやピクルスなど素材の味をいかしたい料理に使うのもおすすめです。
■白ざら糖(ざらめ)
グラニュー糖より粒子の大きい白ざら糖、いわゆるざらめです。綿菓子や煮物などに使われます。
■氷砂糖
半透明で大きな結晶の砂糖です。ゆっくり糖度を上げながら溶けるので、梅酒などの果実酒や果実酢、果実シロップに向いています。煮豆などに用いれば、ふっくらつややかな仕上がりに。
■粉糖(粉砂糖・パウダーシュガー)
粉糖はグラニュー糖をパウダー状にしたものです。湿気に弱いため、コーンスターチなどを加えて、さらさらを保つよう工夫されたものもあります。主にお菓子のデコレーションやアイシング材料に使われます。
■顆粒糖
無糖ヨーグルトに付いている砂糖がこれにあたります。使い道に困ったという声もいただきますが、上白糖やグラニュー糖と同様に使いましょう。低い温度でも溶けやすく、すっきりとした甘さのため、冷たい飲み物やデザート、フルーツに向いています。
■黒糖・黒砂糖
風味が強く、ミネラルも豊富に含んだ砂糖です。コクや色もしっかりつけたい肉系の煮物や素朴なおやつ作りに向いています。
■和三盆
まろやかなすんだ甘味が特徴で、徳島県、香川県で主に作られます。砂糖の粒子を細かくする研ぎという作業を行い、重石をして圧縮するため、手間もかかり高価です。主に和菓子に使われます。
ビート糖(てんさい、砂糖大根原料の砂糖)
■てんさい糖アカザ科の二年生植物のビートから作られる砂糖です。日本では北海道がビートの主産地。オリゴ糖が腸内環境を整え、身体を温める砂糖と言われています。マクロビレシピなどで使われ、自然食品を取り扱う店で購入できます。
その他の原料の砂糖
■はちみつ花の種類により色や風味、甘みが異なります。溶けやすく、コクや照りも簡単に出せるので、料理に便利です。砂糖をはちみつで代用する場合は、1/3~半分の容量が目安となります(はちみつ小さじ1に対して砂糖小さじ2~3)。また、酒とはちみつを合わせれば、みりんの代用も可能です。まれにボツリヌス症発生の原因になりうるため、消化機能の発達していない1歳未満のお子様には使用を控えてください。
■メープルシロップ・メープルシュガー
さとう楓の樹液を煮詰めたものです。ホットケーキ、アイスクリーム、クレープなどのほか、クリームチーズと合わせたスプレッドやローストキチンなど洋風料理に使います。