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経費っていくらまでOKですか?(2ページ目)

新聞をにぎわす各種脱税事件。その主役はなんといってもさまざまな売上除外ですが、もう一方の主役は「必要経費はどこまで載せてたの?」というところになるでしょう。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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ちょっと冗談がすぎました。

最後に給与についてみていきましょう。
「個人事業主なのですが、家内に支払う給与は必要経費となりますか?」
このような質問もよく受けます。

結論からいうとOKですが、ちょっと要件がありますので注意してください。
税務的な用語でいうと、「青色事業専従者給与」という用語になりますが、不動産所得がある人や事業所得がある人、山林所得がある人などはまず、「青色承認申請書」を提出してご自身の申告を「青色」で行う準備をしてください。
(白色申告の場合も事業専従者控除という制度がありますが、今回は割愛します)

そのうえで配偶者などに支払う給与が必要経費に認められるのですが、具体的要件とは次の6つになります。
・ 支給対象者の年齢が満15歳以上であること
・ 生計を一にする親族であること→おさいふが一緒という意味
・ 事業に従事が可能な期間の50%をこえて、勤務に従事すること
・ 実際に給与を支払っていること
・ 「青色事業専従者給与に関する届出書」を期限までに提出していること
・ 労務の対価として相当であること
という6要件です。

ちょっとかなり専門用語が並びましたので、ひとつだけ事例で解説します。

ある医師が届出その他条件を完備させた上で奥様に専従者給与を支給していました。給与の支給額は年間740万円でした。そこのクリニックの他の職員の平均年間給与額は年間450万円でした。

みなさんはどう思われます?

税務調査では、労務の対価として相当であるかというところが争点になるでしょう。

その奥様に看護婦等の資格があり、実質的に婦長さんクラスの仕事をこなしていれば特に問題はないでしょう。しかし、業務としての実態は給与計算程度だけだったらどうでしょうか?もし、アナタだったらどうしますか?

「一事業主としてまったくの第三者を年棒740万円で雇いますか?」という質問を受けるでしょう。

労務の対価として相当であるかとはまったくの第三者としてみた場合にその人の能力をどう評価しますか?そういうことへの投げかけなのです。

このように、「必要経費」のお話は奥が深いのです。
一律にいくらまでだったらOKとか、何%以上は×とかそういう話ではないのです。
現場では、税務上どういった取扱いになるかよりも、ご自身の生活常識を問われる場合がはるかに多いといえます。
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