年末調整の方法しだいでは、所得控除が受けられない!?

住所・氏名・生年月日だけ記載すればいいというものではありません

住所・氏名・生年月日だけ記載すればいいというものではありません

年末調整時に渡される書類は「扶養控除等(異動)申告書」と「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」の2種類です。

書類を渡されるとき、「こういうケースに該当する場合は、こういう所得控除が受けられるので、こういう記載をしてください」と丁寧に説明されることのほうが稀でしょう。そのため、受けられるはずの所得控除が適用されていないケースも少なくありません。

そこで、年末調整で処理されなかった所得控除があった場合、どのような対応をすればいいのかを取りまとめてみました。

年末調整で控除の適用漏れが発生するケースとは

年末調整では14種類ある所得控除のうち、雑損控除・医療費控除・寄附金控除(ふるさと納税など)を除いた11種類の所得控除への対応ができます。しかし、書類の提出期限まで時間があまりない、届いたはずの控除証明書が見つからない、書類の書き方がよくわからない……といった理由から、年末調整の申告内容に漏れが生じる可能性もあります。

年末調整で控除をし忘れるケースの具体例は次のとおりです。

●提出しそこなった生命保険料控除証明書が後日出てきた
生命保険料控除の適用漏れ

●提出しそこなった地震保険料控除証明書が後日出てきた
地震保険料控除の適用漏れ

●給料天引き以外に国民健康保険や国民年金を支払っているのに、保険料控除申告書にその旨を書き忘れた
社会保険料控除の適用漏れ

●平成29年1月から加入対象者が拡大された個人型確定拠出年金(iDeCo)について、保険料控除申告書にその旨を書き忘れた
小規模企業共済等掛金控除の適用漏れ

加入対象者が拡大されたiDeCoのイメージ図(出典:厚生労働省より)

加入対象者が拡大されたiDeCoのイメージ図(出典:厚生労働省より)


同一生計の親族を扶養しているのに、扶養控除申告書にその旨を書き忘れた
扶養控除の適用漏れ

●離婚して子どもを引き取ったのに、扶養控除申告書にその旨を書き忘れた
寡婦控除の適用漏れ

年末調整のやり直しは可能。期限はいつまで?

もし適用漏れが生じていても、勤務先に申し出ることで、再年末調整処理ということが可能です。

ただし年末調整のやり直しができるのは、源泉徴収票を給与の受給者(つまり従業員)に配布する翌年1月末日までです。一方、勤務先の総務や給与計算実務に携わる側からすれば、源泉所得税の過不足金の再計算だけではなく、法定調書の合計表や給与支払報告書の作成・報告といった事務処理もやり直しになります。そのため歓迎されにくいと考えたほうがいいでしょう。

年末調整し忘れたものは確定申告を!

よって、最終的には確定申告で対応するのがよいでしょう。確定申告の期限は3月15日なので、“猶予期間”を3カ月半とれることになります。また、年末調整では対応できなかった雑損控除・医療費控除・寄附金控除を含め、14種類すべての所得控除の申告が可能です。

そもそも所得税の大原則は「申告納税制度」。1年間の所得と税額を自分で計算・申告し、納税することです。確定申告で処理するということは、所得税の大原則にのっとった行動ともいえます。

会社員でも「還付申告」で税金が取り戻せる場合も

会社員(=給与所得者)の大部分の人は、年末調整により所得税が精算されますので、確定申告の必要はありません。ただし、納め過ぎの所得税がある場合、申告することで税金を取り戻せる場合があります。これを「還付申告」といいます。

還付申告の受付期間は、確定申告の期限の3月15日ではなく、その翌年の1月1日から5年間とされています。例えば確定申告の提出義務者でない人が、平成23年に生命保険料控除の適用漏れがあった場合、平成29年12月31日までその還付申告を受け付けてもらえるわけです。

還付申告といっても、特別なフォーマットがあるわけではなく、通常の確定申告書(給与所得者の場合にはA様式)を利用します。

いずれにしても、年末調整で控除を申告し忘れた人は、確定申告書に慣れる必要があります。「確定申告の必要な書類(用紙)」や「確定申告書の書き方」の記事もあわせてご覧ください。

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