税務上の役員退職金の支給要件とは?
しかし、JR西日本の場合、南谷昌二郎会長や垣内剛社長は役員です。
役員に対して退職金を支給する場合には、株主総会で役員退職金を支給することが承認され、具体的な支給方法や支給額は取締役会で承認されるということになります。
税務上もこの部分の要件に関しては支給額も多額になることが予想されるため「退職した役員に対する退職給与の額の損金算入の時期は、株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度」とし、損金算入する事業年度までにも言及しています。
役員退職金は税務上優遇されている!!
では、役員退職金の支給額なのですがどの程度が上限とされているのでしょうか。
税務上は
(最終報酬月額)×(在任年数)×(功績倍率)
という算式となります。
(最終報酬月額)とは退職時に支給を受けていた給与のことで
(在任年数)とは役員としてどのくらいの任期があったかということです。
(功績倍率)とは上記に係る係数のことです。
たとえば、35歳で会社を起こし、65歳で引退、退任時に受け取っていた報酬月額100万円
仮に功績倍率が2.5倍くらいは認められたとすると
「100万円×30年×2.5倍となり7500万円」
の退職金が税務上は何の問題もなく受け取れるということになるのです。
これはJR西日本のような大きい会社だけではなく、市中の町工場のような中小零細企業でも認められている制度です。
JR西日本の経営責任問題とは別に中小零細企業経営者のリタイア後の生活資金の確保としても有効な方法です。
次回は受け取る側からみた退職金の取り扱いについて、解説していきたいと思います。
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